第19回 丹後ウルトラマラソン 60km

晴れ朝6時半くらいに起床。 同じ部屋の他の4人は既に起きていて、表に出て100kmの部の選手を応援したりしていた。 自分も旅館の前の道に出て数分応援する。 100kmの部は、朝4時半にアミティ丹後をスタートしている。 この旅館の前は22~23kmくらいの地点だと思う。 今、目の前を走っている選手たちは、22kmを2時間で走れる選手ということになる。 22km2時間って、サブ4のペースよりちょっと速いペースなので、キロ5分30秒台で走っていることになる。 100kmのレースをそのスピードで走るということは、かなり速い人たちなのだ。 皆らくらく走っているので勘違いしてしまいそうだが……

朝食の前に大浴場で体を温めて、7時過ぎから朝食を食べる。 夕食に続き、朝食も献立がランナーの為に考えられているような内容だった。 消化がよくエネルギーの付きやすいもの、なおかつ日本の朝食っぽいメニューが揃っていた。 目の前に香港人の夫婦が座っており、少しだけ英語で話すことができた。
朝食

この旅館はスタート会場まで徒歩2分くらいなので、かなりギリギリまでいることはできる。 スタートは9時、荷物預けは8時半まで。 なので、8時20分くらいに出発しても悠々間に合うのだが、早めに会場に行って気分を盛り上げたいので、8時前には会場に向かうことに。 今夜もここに泊まるので荷物は特にいらないのだけど、一応着替えや財布等をリュックサックに入れて、持っていく。 これをスタート会場で預けて、ゴール会場まで運んでもらう。 レース中に写真とか撮りたいので、スマホは持っていきたいのだが、レース時はいつも持たないと決めている。 なので、スマホも預ける荷物に含めて預けてきた。

今日は気温がかなり高くなることが予想されており、今までに経験したことのない60kmという距離なので、水分不足、脱水症状、熱中症にならないよう、十分に対策しなくてはならない。
装備はかなり身軽で、上は半袖Tシャツ、下はハーフパンツ、パンツはボクサータイプの、靴下は5本指ソックス、靴はプーマのスピードライト。 フルマラソンを走る時の靴と同じものを履く。 足の指はマメ防止のため、マメができやすい右小指、右薬指に絆創膏を数枚貼って保護。 マメでは無いけど、擦れやすい右親指にも絆創膏を貼っておく。 帽子は普段はかぶらないのだけど、さすがにこの暑さと直射日光に帽子無しで挑むのは勇気がいる。 ポケットには熱中症対策の塩飴みたいなのを5個。 あとは、もし給水所まで持たなかったことを想定してジョギング用の財布に1,500円いれてある。
ジョギング用タイツも、かなりの暑さなので着用しない。 今回のレースは本当に、自分の力のみで行く感じだ。
回りの人を見ると、トレランザッグを背負っている人とか、ウエストポーチにペットボトルを挿している人などが多く、荷物を何も持っていない人の方が少ないかもしれない。

会場では水分を摂るコップを持って飲みながら、トイレに並びまくる。 絶対に脱水症状になったらいけないので、昨晩からかなり水分を摂っており、今も喉は全然渇いてないけど飲み続けているような状態。 そのため、すぐにトイレに行きたくなるので。 トイレは結構混んでいて、5分くらい並ばなくてはならない。 なので5分並んでトイレに行って、数分ウロウロして、またトイレに並んで、というような感じで10分おきにトイレに行っている。 その間、ずっと水分は摂りっぱなしで。

スタート10分前になり、スタート地点へ並ぶ。 並ぶ場所は特に決められていなく、ランナーも1,000人くらいしかいないので、それほどの混雑ではない。 軽いセレモニーみたいなのがあって、3分前、1分前、30秒前、20秒前、10秒前、とアナウンスがあり、いよいよ丹後ウルトラマラソン60kmの部がスタートした。

会社の社長からは「キロ5分のペースで行け」と言われているが、スタート直後は大混雑でキロ5分どころか、キロ8分を超えるようなペースだった。 今回は記録狙いではなく、完走が目標なので、自分も焦らずに流れにのって走っていくことを心がける。 車両通行規制をかけているわけではないので、基本的には左側と歩道を走らなくてはならない。 歩道は狭い箇所もあり、抜かすに抜かせないが、序盤で抜かすのに力を使ったら後半撃沈するのが見えているので、しばらくはこの流れにのって走っていく。 走り出して感じるが、とても暑い。 普段の練習では夜走っているので、日差しの下を走ることがあまりなく、今日は厳しい戦いになりそうだ。
給水所もフルマラソンより出現頻度が少なく、45kmまでは4kmに1度、45km以降は2.5kmに1度のような感じ。
4.1km, 8.1km, 12.6km, 16.8km, 22.0km, 25.9km, 29.3km, 32.5km, 36.5km, 40.1km, 44.9km, 47.4km, 49.5km, 51.4km, 53.1km, 56.6km地点に給水所がある。
また、距離表示は2.5km毎と42.195km地点にあるのみ。 細かい1km毎のラップはわからなくなるが、それは仕方がない。

順調に走って、4.1kmの給水所へ到着。 メチャメチャ暑くて水を2杯も飲んでしまった。 巨大なバケツの中に柄杓が入っていて、それで自由に水をかけられるようになっていたので、それを使って腕や太ももに水をかけて冷やす。 最初のエイドだけど、キャンディ、梅干し、塩、氷砂糖などが置いてあった。
再び走り出して先を目指す。 ちょうど前に背が高くて、自分と同じくらいのペースで走っている人がいたので、その人の斜め後ろにピッタリとくっついて走る。 日差しは前方右側から差してきて、うまい具合にその人の影に入ることができたので。 次のエイドは「海山園」というところで、老人ホームみたいなところがエイドになっていた。 ここでトイレに行って、水をたっぷり飲んで体にも水をかける。 何だかレースというより、次のエイド、次のエイドと、エイドを目指すスタンプラリーみたいなイメージだな。 エイド毎に立ち止まって飲んだり食べたりする感じで。 ここでは小袋に入ったバームクーヘンがあったので、それを食べた。

3つ目のエイドを過ぎてからは山の中に入っていくような感じだった。 集落の中のクネクネとした道を下っていき、港を通過したら上り坂に。 ここから16.8km地点までは2kmくらい続く長い上り坂で「七竜峠」と呼ばれている。 60kmコースの最大の難所だけど、序盤で出てきてくれるのが助かる。 これが終盤だったら厳しすぎる。 だが、序盤とはいえ、この峠越えはかなりきつかった。 歩かないのを目標にしているので、ペースはかなりゆっくりでもいいので、走る動作を続けた。
運営車両が結構頻繁に走っていて「気温が30度を超えています、水分しっかり摂って走って下さい」とアナウンスしていた。 苦しい苦しい上り坂を走りきり、七竜峠のエイドステーションで給水や水をかぶったり。 もう全身ビショビショなのだが、ウェアは走っていると乾く、だが靴もビショビショになり、靴は乾かないので、雨の中のレースのような感じで、足元は不快だった。

ここからは下り坂になるので、少し気持ちが楽だった。 重力にまかせて走っていると足にダメージを受けてしまうので、そうならないよう歩幅を縮めながらゆっくりと下っていく。 ただ下りだけではなく、また上り坂になったりと、コース図には載ってないが、意外にアップダウンがあるコースだなと思った。
22kmのエイドでは中学生が足のマッサージをしてくれるテントがあったが、まだ疲れてないのと、イスに座ってしまうと後が辛くなりそうなので、マッサージは受けなかった。
食べ物ではうどんがあったので食べて、エネルギーを補給する。 暑さが厳しいが、暑さ以外は今の所なんとかなっている。

ここからは海沿いの綺麗に整備された地帯を走っていく。 左手側にはグランドが整備されていて野球をやっているチームがあったりした。 このあたりで、反対車線に先導車やランナーが見えてきた。 100kmの部のトップの選手が戻ってきたようだ。 100kmの部だと、反対側は96kmくらいだと思う。 ゴールが目前で、タイムは7時間台という凄まじいスピードだ。
少し走り、信号を左折すると国道178号線。 歩道の無い狭い国道の路側帯を走っていくのだけど、すぐ横に車が普通に走っているのは、マラソン大会じゃなかなか経験できないな。 工事中の箇所があり追い越し禁止になっていたり、上り坂を上りきった三本松という交差点では反対側に渡るために信号待ちがあったりと。

三本松からは長い下り坂で快適だったのだけど、次のエイド「丹後王国前」から先には長い上り坂が見えて気持ちが落ち込む。 各エイドで水を浴びまくっているが、暑さがだんだんダメージとして蓄積されてきているのがわかる感じだ。 丹後王国前のエイドステーションは29.3km地点。 フルマラソンでも、そろそろ厳しくなってくる位の距離だ。

次のエイドは「弥栄地域公民館」という場所で32.5km地点。 ここのエイドが一つのポイントになっていて、スタート地点からこのエイドに向けて荷物を送ることができる。 例えば、ここでシューズを履き替えたいとか着替えをしたいとか、スタート地点でその荷物をまとめてトラックに乗せておけば、ここでその荷物を受け取れる。 また、ここで荷物を置いていくこともできるようになっている。
自分は何も送ってないし何も置いていくものもないが。
スタート地点からここまで、100kmの部と、コースは同じだったが、ここから100kmは「碇高原」と呼ばれるコース最難関の峠に向かって行く。 碇高原は71.8km地点で、高低差400m以上の厳しい上りがあり、ここの関門を突破できずにかなりの人が脱落する。 自分は60kmなので、そちらには行かないが……

ここから田んぼ沿いを走るような道になり、かなり体がきつくなってきた。 次のエイドは36.5km地点。 そこまでとりあえず歩かずにゆっくり走っていくが、この辺りになると、歩いている人も目立つようになってきた。 なんとかそのエイドまでたどり着き、ここで2度目のトイレへ。 だが全然出ず、明らかに水分が足りてないのが実感したので、ここではいつもより多く水分を飲む。
このエイドには冷凍パイナップルみたいな商品があり、それがとても美味しかった。

この先もかなり厳しい戦いで、次の3.6km先のエイドがものすごく遠く感じた。 途中で42.195kmポイントを通過。 通過タイムは4時間54分06秒。

44kmくらいの地点で国道178号線に再合流。 ここは100km地点との合流点でもあり、右側からは坂を下って100kmの部の選手たちが走ってくる。 100kmの部の選手たちは84kmくらいの地点、凄まじい……
ちょうど一緒になった100kmの部の選手と並んで走っていて会話したのだけど「今ペースどれくらい?」と聞かれ「キロ7分~7分半くらい」と伝えたら「今日は自分のペース遅いけど、1時間くらい早くここにたどり着いたとき、60kmの人たちみんなペース速いんだよね」と。 「ここまで来たらあとは平坦なので楽だ」と言いながら、その人は軽快に走り去っていった……
44.9km地点のエイド「丹後庁舎」についたとき、内臓がかなりやばかった。 途中から水分多く摂るのを意識したのもあると思うけど、胃が気持ち悪くて吐きそうだった…… 各エイドで食べてるけど、梅干しがとても美味しい。 酸っぱいタイプの梅干しで、それが口の中にじわりと広がり、あとから酸っぱさが襲ってくる。 ここまでで、もう20個以上は食べていると思う。 このエイドにはつみれ汁があったが、胃が微妙だったので食べず。 水分補給と梅干しをたくさん頬張り、体や頭に水をかけて、次のエイドを目指していく。

この先は左右に古い民家が立ち並び、ところどころに商店が出現するような、田舎の中央通り的なイメージの道を走っていく。 沿道に結構人がいて応援してくれて元気が出てくる。 三度国道178号線に出る手前に「除雪車庫」というエイドステーションがあり、ここで3度目のトイレへ。 疲労はピークだが、ここから先は2.5kmくらい毎にエイドステーションがあるので、頑張れそうだ。 この地点で47.4kmだた、距離が50kmになれば、ラスト10kmというイメージになり、もうちょっと頑張れるかもしれない。

国道178号線に戻ってからは、国道沿いを走っていく。 歩いている人も走っている人も、100kmの人も60kmの人も、抜かす人も抜かされる人も、皆自分のゴールに向かって走っていく。
49.5kmのエイドポイントに立ち寄ってから、ついに50km地点までやってきた。
50km地点でのタイムが5時間53分44秒。 ここまで、だいたい10kmを1時間10分ペースで走ってきている。 残り10km、頑張れば7時間切れるかもしれない。 7時間切るには10kmを1時間06分で走らなくてはならない。
キロ6なら1時間00分、キロ7なら1時間10分、つまり、キロ6分半くらいで走らなくてはいけないことになる。 それに加えてエイドでも時間を使うので、現実的にはキロ6分20秒くらいだろうか。
ラスト10km、メチャメチャきついが頑張ることにした。

51.4kmのエイド「三津塩工場」はダラダラと続く上り坂の途中にあり、この上りが非常に苦労した。
53.1kmのエイド「琴引浜鳴き文化館」では飲み物だけ飲んで、30秒くらいで出発する。 だが、このエイドの先に長い上り坂が見えて、しかも傾斜も結構ある感じだった。 正直ここを歩きたかった…… だが、ここで歩いてしまったら7時間切るのは絶望的になるし、53kmも歩かず走ってきたのに、ここで歩いてしまうのももったいない。 だが、体は非常に重く、坂を上るのが死ぬ思いだった。
坂を上りきったら、そこには見たことのある景色が。 往路で通った三本松の交差点だった。 信号を超えたら、長い下り坂へ。 下り坂を超えたら55km地点。
時計を見たら6時間27分23秒だった。 残り5kmを33分36秒。 キロ6だと30分、キロ6分半だと33分、キロ7だと35分。 ペースを上げたつもりだったのに、ペースはあまり上がってなく、ここから先も今のペースを維持しないといけないことが判明。 非常にきつい…… 信号を横断して、往路で通った海沿いの綺麗な道へ。 長いけど、この辺りからロングスパートをかける。 このまま意識を変えなかったらキロ6分半は軽くオーバーする。 ラスト5km、体が持つだろうか、わからないが勝負に出ることに。

気持ちを切り替え、フォームを直し、腕振りを意識して、ぐいっとペースを上げて走っていく。 ここから先は1km毎に看板があって、時計を止めるのを忘れていたのだけど、最初の55-56kmは5分40秒くらいで走れたと思う。
56.6km地点に最後のエイドがあったが、もうエイドに寄る時間もないので、初めてエイドをスルー。 腕振りを意識して走っていく。 56-57kmは5分20秒くらいまで上がったと思う。 残り3kmの看板を見て、細かいカーブや橋を通過し、大きな広い綺麗な道路を左折。 残り2kmの看板が見えてきた、タイムは見る余裕がなかった…… 残り2kmということは、ここは58km地点。 だが、ここまできて絶望するような坂が目の前に見えていた…… この坂を上る途中で、どうしてもペースが落ちてしまった…… なんとか上りきって、下りはもう重力にまかせて走っていく。 ラスト1kmも時計を見る余裕がなかった……
綺麗な道路に別れを告げ左折する。 左折したら川を超える橋があり、そこが上り坂に…… 上り坂と言っても、多分距離は30mくらい、高低差は4mくらいだと思うのだけど、それすら絶望だった……
橋を超えた先では大応援団が待ち受けていて、その前を通過して右折。 左手にアミティ丹後が見えてきた。 多分、残り400mくらい。 300mくらい先に見える信号を左折したら、アミティ丹後の入口だ。
あと一踏ん張り…… 信号を左折し、アミティ丹後の正面から、ラストの直線50mくらい。 ゴールする人、一人一人の名前と意気込みコメントを読み上げてくれていた。 申込時になんて書いたか忘れてしまったのだけど「香川県から参加の○○さん、いよいよゴールです。 42.195km以上の距離走るの初めてだけど頑張りますとのことでした、お疲れ様ー」みたいな感じで名前などを読み上げてくれて、感動のゴール。

ゴール後は完走メダルをかけてもらい、パイプ椅子に案内されて、ボランティアの中学生が計測チップを取り外してくれた。 すぐに会場に出られるので、給水でスポーツドリンクをもらって、体育館の方へ。
記録証を発行してもらえる場所があったが、それよりもトイレに行きたかったのでトイレへ。 55km地点くらいからすごいトイレに行きたい感じだったが、寄ったら7時間切れなくなるので我慢していたのだ。
ようやくトイレで解放されると思ったのだが、今にも漏れそうな感じなのだが全く出ず…… どうやら体の感覚と膀胱の具合がズレているようだ…… トイレに行きたい感じはするのだが、出ない、ということは行く必要がないとのことなので……

記録証をもらってタイムを確認したら、6時間55分48秒だった。 ラスト5kmがかなり上げられたことになる。 そして嬉しい7時間切り。 社長に言われた「キロ5分」だと5時間00分、キロ6分だと6時間00分、キロ7分だと7時間00分なので、ペース的には6分55秒くらいのペースだったみたい。 ただ、エイドで止まった時間は、合計で20分くらいはあると思うので、実質キロ6分半くらいだったのだろうか。

荷物を受け取って、そのままゴロリと転がって休憩したかったのだけど、レース後の写真をいい場所で撮ってもらいたかったので、なんとか動いてステージで写真を撮ってもらった。
それからようやくジョギングシューズを脱ぐことができた。 ジョギングシューズは終始ビショビショで足はふやけていた。 絆創膏で予防しておいた箇所、特に小指にはマメができていたので、予めやっておいて良かったと実感した。 右足の親指と小指の爪が死んでおり紫に変色していた。 親指はよく死ぬのだけど、小指は初めてだな。 これでも、この靴は合っているのだけど、もっとフィットする靴を探さないといけないな……

ゴール地点のアミティ丹後から、スタート地点である久美浜の浜公園へはバスで戻ることができる。 バスの時間を調べたら、15時45分、17時40分、18時15分、19時10分発のバスがあるようだ。 ゴールしたのが15時55分で今は16時20分くらいなので、17時40分までバスがないな。 ここから久美浜浜公園に戻る人は多そうなので、バスが満席になってしまったら困ると思って、時間よりかなり早いがバスが発着する場所で待っていることに。 途中で、昨日もらった金券チケットでカルピスウォーターを購入して体を潤わせたり、タオルを濡らしにいって体を拭いてリフレッシュさせたり。
バスが到着して皆続々と乗り込み、あっという間に満席に。 補助席も使っているけど、もう人が乗れなくなってしまった。 早めに準備しておいてよかった。
バスは浜詰という地域を経由したのだけど、途中に「夕日ヶ浦」という場所を通過し、そこから見えた海と夕日がとても綺麗だった。
バス 夕日ヶ浦

18時10分くらいに旅館に戻ってきて、すぐにお風呂へ。 疲れ切って汗まみれでボロボロになった体を綺麗にして、湯船に浸かってのんびりと過ごしていた。
今日の夕飯は19時半からで、5人部屋だったのだが3人は1泊なので、今日は2人でこの部屋に泊まる。 その人はまだ戻ってきてないし、とりあえず19時半まで寝るか。 だが、体が疲れすぎて逆に全然眠ることができずに、19時半を迎えてしまった。

今日の夕食もみんなでテーブルを囲んで食べたのだけど、11人しかいなかった。 朝会話した香港の夫婦もいたので、どうだったか聞いたけど、20km地点でリタイアしたとのことだった。 頭が暑すぎてダメだったと…… 「帽子かぶってた? 水飲んでた?」と聞いたけど、それでもダメだったって。 暑い中での練習をもっとして、来年また来ますと言っていた。
この夫婦とマラソンのことについて色々話したのだけど、頻繁に来日していて、次は12月の大阪マラソンの為に来ると、来年は東京マラソンで来て、オリンピックも観戦すると言っていた。 東京オリンピックでは卓球を見るらしい。 日本国外にもあちこち行っていて、マラソン目的だと、ニューヨークシティマラソン、ボストンマラソン、ベルリンマラソン、ロンドンマラソンに出てると。 ボストンマラソンは大雨の中の大会で気温は0度。 翌週がベルリンマラソンで、それは25度くらいあったらしい。 気温の変化が激しすぎて辛かったと言っていた。 LINEとFacebookのアカウントを交換して友達になった。
こうやって、英語でコミュニケーションできるのって素晴らしいと思った。 今回夕食会場にいた人は誰も英語が喋れなかったのだけど、ちょっと踏み出すだけで、こうやって世界が開いていくのを実感できる。
喋れないのではなく、間違いが怖くて喋らないのかもしれないが、自分の英語もかなりの割合で文法エラーとかあるだろうけど、それは相手が理解してくれるし、いちいちそんな事を指摘されることもない。 発音は日々の悩みだけど、発音もきちんと意図を汲み取ってくれるし、どうしても聞き取ってもらえないときはスペルを言ったらいいだけだし。 これがビジネスの場になると、そういうわけにはいかないかもしれないが、日常のコミュニケーションなら十分だった。

夕食のメンバーはキャラの濃い人が多くて、75歳のおじいさんは「健康の秘訣は?」と69歳の人に聞かれて「ウルトラマラソンに申し込むこと」と言っていた。 申し込んだら、イヤでも練習しないといけないので、まずは申し込めばいいんじゃないですか?と。 75歳のおじいさんは妻と息子と来ており、妻は応援、息子は60kmを完走したとのこと。 その69歳の人は福島で生まれ育ち高校卒業と同時に関東に出てきて、今では千葉に住んでいる。 丹後には10年くらい連続で出ていて、今日はリタイアしてしまったが、ビールを飲んで上機嫌だった。 戦後生まれだけど、マッカーサーの話とか真珠湾攻撃の話、原爆の話をしていた。
岡山から来た夫婦も10年くらい連続で丹後に出ている。 奥さんは応援だけ、ご主人が走るのだけど、今日は30km地点でリタイアしてしまったらしい。 過去に100kmに4回出て、2回完走、2回リタイアと言っていた。 ただ今日は60kmでリタイアするとは思ってなかったと言っていた。 同室の部屋の人は三重県から来て、趣味は乗馬とのことだった。 乗馬が趣味の人と初めて出会った。 乗馬といっても馬に乗ってトコトコ散歩するのではなく、障害競技をやっているとのことだった。 オリンピックの乗馬競技のチケットが当選しており、来年が楽しみだと言っていた。 今日のレースは関門突破してゴールはしたが、制限時間の9時間半には間に合わなくて記録証はもらえたがメダルはもらえなかったと残念がっていた。 来年リベンジすると言っていた。 もう1名は愛知県の人で、愛知県には男子が参加できるフルマラソンの大会が無いと嘆いていた。 その人は60kmを完走して、多分一緒のバスで帰ってきて、風呂でも会話したと思う。

夕食食べながらビール2杯飲んで、夜は22時過ぎには寝てしまった。
夕食

初めての42.195kmを超える大会、そして丹後は3年連続エントリーしていて、今日初めて走ることができた。 こんなに暑い中での大会は初めてだったし、60kmの長さもとてもしんどかった。
ただ京丹後市という田舎のエリアで19回も開催されているマラソン大会で、地元にはしっかり根付いていて、応援や私設エイドが充実していた。 コースは思ったよりも坂があって厳しかった。 他の人のガーミン計測による獲得高低差は1,000mだった。
ペース的には、大体10km1時間09分くらい。 40-45kmだけ極端にタイムが落ちてしまったが、だいたい平均的なタイムで走れたのではないだろうか。 10km区切りで見ると、50-60kmのラスト10kmが一番ペースが速く、ラスト5kmはキロ5分40秒まで上げることができた。 前半30kmと後半30kmのタイム差は1分24秒。 疲れの溜まった後半でも粘りの走りができていたことがわかる。

自分の中では、マラソンシーズンが始まる前に挑戦できたのは非常に大きく、これを経験しているので42kmが短く感じられる日が来るかもしれない。 次に42km走るのは11月のおかやまマラソンが最初だが、それに向けて非常にいいトレーニングにはなったと思う。 来年どうするか?と聞かれたら、出場するかは今の所不明。 正直出たくない気持ちが強い。 それほど今日の60kmのレースは厳しかった。 仮に今の実力で100kmに出たとしても、間違いなく完走はできないだろう。
公式HP発表によると、100km男子の完走率が54.32%、女子が50.00%、60km男子が67.20%、女子が73.31%とのことだった。 思っていたより完走率が低いし、100kmが50%の完走率というのはよほどコースが厳しいことを物語っている。

第19回 丹後ウルトラマラソン 60km」への2件のフィードバック

  1. Yさん
    コメントありがとうございます。
    高知龍馬マラソン、間違いなくニアミスしてますね。
    乗馬もやっておられたとのことで、しかも国体選手、恐れ入ります。

    四万十川ウルトラマラソン4回出場でもすごいのに、サブ10とは…… キロ6以下で100kmですもんね、凄まじいです。

    レース終わって1週間経ちましたが、現在の気持ちもレース直後と変わらず「もうウルトラ出たくない!」です。 丹後や四万十の申込みが始まる来年3月くらいには気持ちが変わっているかもしれません。
    ただ、四万十は人気で倍率3倍くらい?なので、出ようと思っても出られる保証がないので、来年くらいから申し込むのも一つの手段かなとは思いました。

    日々の練習で、なかなか12km以上走ることがないので、それも距離に対する弱さの一因であることはわかってるのですが、なかなか20kmとかを練習で走る気にならず……ロードバイクもトライアスロン前に乗るばかりで、オフシーズンはほとんど乗ってなく、毎年一から練習やり直しです。

    来年の高知龍馬マラソンは日程の都合が悪く参加できないのですが、近隣のレース等にも参加していく予定ですので、ぜひ一緒のレース出られるチャンスがあれば、シューズ円陣とかやりましょう!

    また遊びに来て下さい。

    • 高知県在住のYことHyamaと申します。
      昨日は失礼しました。ご対応ありがとうございます。

      1つだけ気になったことがあります。
      >ジョギングシューズは終始ビショビショで足はふやけていた

      暑さ対策タイツを履かずにハーフパンツのみとのことでしたが,この場合,体のほとんどの汗が脚(足)に降りてきてソックス(シューズ内)がその汗でビショビョ(グショグショ)になります。
      私も夏に走り込みをし始めた時,ハーフパンツのみで練習したら同様になり,最初は対処の仕方がわからなかったのですが,ある時から暑くてもショートタイツを履くようにしたらソックス(シューズ内)が汗でビショビョ(グショグショ)にならなくなりました。ショートタイツに汗が止まり,熱で蒸発していくんだと思います。
      ソックスが濡れると走り辛くなるので,雨対策としても効果的なメリノウールの素材のソックスもお薦めです。

      山かイベント等でお会いすることがあれば,よろしくお願いいたしまーす!

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