入院34日目

晴れ今日、両足のギブスをはずした。 ずっと固めていたのでなんか違和感がある。
右足をタオルで拭いたらふくらはぎの毛が100本以上抜けた。 こするたびに抜ける。
右足だけ毛が薄くなってしまった。 一ヶ月間拭いていなかったので皮膚はバリバリで爪をたてるとどんどん剥ける。
足の裏の皮なんて気持悪いほど剥ける。 早く風呂で足を洗いたい……

入院33日目

くもりハリーポッターを読み終えた。 今までとは違って話が中途半端に終わったので続きが気になる。
早く5巻発売しないかな。
リハビリの時間、ぶら下れるところを貸してもらった。 そこにぶら下って3分くらい耐えていた。
室内が暑いせいか、すごい汗をかいた。
夜、高校の頃の先生とクライミング仲間がきた。
明日のレントゲンしだいで足のギブスをはずすめどがつくらしい。

入院32日目

晴れ今日はなぜかとても眠かった。 夕べはいつもと同じ時間に寝たのに。
朝ごはんを食べて寝て、昼ごはんを食べて寝て、回診の時まで寝ていた。
14時からリハビリに行った。 運動するとすごい汗ばむ。 部屋に戻ってからタオルを濡らして体を拭いた。
リハビリでエネルギーを消費したせいか、いつもに比べてお腹がすいている。 夕飯をあっという間にたいらげた。
さっきようやく「ハリーポッターと炎のゴブレット」の上巻を読み終わった。
児童書とはいえかなりの長さがある。 上下巻で1000ページ以上あるものを児童書なんていうのかな……
作者のJ.K.ローリングのプロフィールをみたら、ハリーポッターを書くまでの生活は決して幸せなものとはいえないようなものだった。
ベストセラーにより生活がかなり変わっただろう。

入院31日目

くもり一ヶ月ぶりの風呂に入った。 ギブスをしている所にビニールを巻いて濡れないように。
体を2回洗ったけど、垢がとれていないような気がする。 自分で頭を洗って気付いた。 髪の毛がすごい痛んでる。
午後、本社の人が2人きた。 住民税、保険料のことで。 いろいろ言われたけど直りしだい職場復帰させてくれるらしい。
だけど……
ずっと思い悩んでいるけれど次いつケガするかもわからない。 また迷惑かけるかもしれない……
というのはたてまえで、実は今の仕事にあまり満足してない。 給料面では申し分ないがただただ仕事をしているって感じ。
それに年齢を考えたらもっと遊んでてもいいんじゃないの!? 今しかできない事ってすごいたくさんあると思う。
本社の人にはその言葉を言い出せなかったけど。
いずれ言わなければならない。 言い出すタイミングというのが非常に難しい。 退院してから言った方がいいのかな……
とりあえず7月いっぱいは続けるけれど、8月から事務所の移転、職場の移転、環境が変わるし、丁度いいかなと思って。
辞めてなにをするというわけではないけど……
うーん、悩む…

入院30日目

晴れ朝、病室の移動をした。 402号室から303号室になった。
看護婦さんが荷物を運んでくれたが、思っていたよりもたくさんの荷物があってビックリした。
この部屋は長期入院患者が入るらしい。 奥の窓際だった。
けっこう外が見えて気持がいい。 車椅子で自由に動けるので会社に電話する。
だけど所長はでかけていていなかった。 ちょっとしか話してないのに20円もとられた。
午後リハビリをやった。 昨日ちょこっとやっただけなのに肩まわりが筋肉痛になってる。
今日も同じメニューをやったら、腕がとても重くなって肩が上がらなくなってしまった。
こんなに衰えているとは……
夜、クライミングギアの本の翻訳をした。 すごい難しい……

入院29日目

雨今日は朝から雨だ。 昼の回診のとき、車椅子の使用が許可された。
ケガしてから4週間と1日。 ようやく自由に動ける。 長かった……
生まれて初めて車椅子に乗る。 操作を教えてもらった。 最初難しかったがすぐ慣れた。
だけどバックしながら曲るのが難しい。 車の免許を取ったばかりの頃のようだ。
トイレも1人で行けるようになったし、ベッド上でも自由に動き回ったりイスに座ったりもできる。
普段当たり前だと思っていた事、改めて感じる喜び。

入院28日目

くもり先週木曜にベッドを60度にしてからお尻が痛くてたまらない。 寝たり座ったり体勢をコロコロ変える。
「恍惚の人」という小説を読んだ。 おじいさんがボケてしまい、その介護生活を描いた物語。
この本が出版されたのが昭和47年。 当時でも高齢者問題が浮かび上がっていたことがわかる。
なんていうのかうまく表現できないけれど、当人は何もわかっていないが、家族にものすごく負担がかかる。
何かを犠牲にしなくてはならない。
自分も後60年後にはこうなっちゃうのかなぁと思った。
人は何のために生まれるのだろう… 結論から言っちゃえば子孫を残すため?
もし結婚するつもりがないなら、今死のうが30年後死のうが同じこと?
いきるために働かないといけない。 つかの間の休息を楽しむために働かなくてはならない。
もし子孫を残さないとすると、人生の楽しみってなんだろう。 その楽しみを得るために莫大な時間を苦痛という仕事の中に置かなければならない。
その価値があるのかどうか知りたい。
子孫を残す + 人生の楽しみ > 苦痛
この式が成り立たなくなった時、人はどうなるのだろう。
毎日毎日が苦しい、休みの日も楽しくない、これを繰り返しているうちに内面的にまいってしまう。
その状態が進行していくと精神が蝕まれる。 そして精神病、人格が狂う、何もわからなくなってしまう……
いろいろあると思うけどこれを防ぐ手段はないのだろうか……?
苦痛を超える楽しみ、それがスポーツなのか女の子なのか人それぞれだろうけど。

入院27日目

晴れ今日もレントゲンを撮った。 腰が良くなっていてベッドを90度まで起こしてよいと指示がでた。
壁に寄りかかって座ってるような感じ。 ようやく「寝る」から開放された。
昨日クライミングの仲間が持ってきてくれた「すべての雲は銀の…」という本を読んだ。
上下間で700ページ弱、けっこう長かった。 一度物語の中に入るととても楽しくてどんどん読んでしまう。
そこに至るまでに長い時間を費やすものもあるけど。 あらためて考えてみると、これだけの長さのストーリーを考えるのがすごい。
表現や日本語など知らない言葉だったりすることもたくさんある。
小説家は偉大だなと思った。 本をたくさん読むと確かに想像が豊になるかもしれない。
主人公の顔、服装、物語中の町の景色など。
だいたいの部分は説明されているけど「10人に絵を描いて」と言ったら10通りの絵ができると思う。
しかしどれも正しい。 「趣味は読書です」って言うとちょっと暗い、不健康的なイメージがあるけれども…
だけど体を動かす趣味の方がいい!