第1回 神戸マラソン

晴れ今日はいよいよ神戸マラソン。 6時起床してシャワーを浴びて、昨日コンビニで買っておいた弁当を食べる。 が冷蔵庫に入れておいて、電子レンジがないので、不味すぎてほとんど食べられなかった……
ポートライナーの中埠頭駅がすぐそばなので、そこまで歩き、会場最寄駅で下車。
会場付近のコンビニでおにぎりを買うが、数口食べただけで、食べる気にならず……
ランナー以外侵入できないエリアができており、ボランティアのスタッフが誘導していた。 こんな早朝から大変だな……

市役所の前がランナー整列の場所なので、その横にある公園に向かう。 ルミナリエのメイン会場となる公園。 ここで着替えをした。 半袖と長袖持ってきたのだけど、今寒いので長袖を選択。 暑くなったら腕をまくればいいかな。
神戸マラソンに備えて、ランニング用のスパッツみたいなのを購入しておいてのだけど、見事に持ってくるのを忘れた。 店の店員曰く、スパッツつけると、翌日の疲れが全然違うらしいし、関節の負担も減るらしい。 せっかく高いお金払って買ったのに、忘れるとは…… 道具に頼らないで、自分の力で走るしかなくなった。
荷物は自分の番号が書かれたトラックに預けるのだけど、日通の引っ越し用の巨大トラックが20台ほど集結。 荷物預かりにもすごい準備だ。
ランナー整列場所

まだ8時くらいなのだけど、そろそろ整列ゾーンに並ぶか。 風が強くて寒い…… 開始前に飲むと良いと書かれていたヴァームというゼリー状のものを飲む。 もう1本持っており、これはマラソン途中の栄養補給に使おう。

縁石に座り込んで待つ。 だんだん人が増えてきて、あっという間に人だらけに。
整列は8時40分までで、それを過ぎたら最後尾からの出発になるそう。
ランナーが並ぶ

8時40分になり、開会のセレモニーが始まった。 が、セレモニーは最前列付近で行われているらしく、オレのいるEブロックは声もほとんど聞こえないくらい。
楽器の演奏が行われ、著名人の挨拶があり、阪神淡路大震災か東日本大震災の犠牲者に黙祷をし、スタート。 号砲はわずかに聞こえた。

号砲が鳴ってもEブロックは全く動かず。 前から順に進んでいくから時間がかかりそうだ。
5分くらいして、ようやく動き出した、が歩くくらいのペース。
そのままスタートラインを通過。 左にカーブするあたりから、ゆっくりと走ることができるペースに。 歩道には応援の人がたくさん。 すげぇ、庵治マラソンの時とは全然違う。 

すぐに元町の中華街の入口のところまでやってきた。 ここで印象に残ったのは、中華街入口にて応援していた龍。 いかにも中華街っぽい応援で盛り上げてくれる。
すぐに右折し走って行く。 各所にトイレがあり「次のトイレまで200m」とか看板が出ていた。 まだスタートした直後なのに、トイレは行列。 これは、トイレ行くタイミングも考えないといけないな。
道を右折し、すぐに左折。 ここからは国道28号線を走るよう。
沿道にはずっと応援してくれる人たちが。 手作りの看板を作って応援している人、大声で叫んで応援している人、ハイタッチを求めてくる人、など様々な人がいる。
しばらく国道28号線を走り、途中から斜め左方向に曲がって行く。 高速長田ICを通り越し、途中で左折し、新長田駅前を通過。 この付近が阪神淡路大震災で、壊滅的な被害を受けた地域らしい。 今ではその面影は全く残っていないように見える。
新長田駅からは、線路沿いを進む。

7km地点付近で、突然右膝が痛くなり始めた。 右膝よりも、右足裏が痛くなると思っていたのに… 膝の痛みは想定外だった……
ただ、絶対に足は痛くなるだろうと思い、痛み止めを持ってきている。
給水ポイントで、痛み止め2錠飲む。 しかし、効くのだろうか…

鷹取駅から先は、沿道に中学生がずらりと並ぶ。 土曜日なのに、全生徒がいるのではないか、というくらいの人数。 みんな制服を着て大声で応援してくれている。
地元から盛り上げてくれるんだなぁ。
しばらくその道が続き、国道2号に合流。 合流直前、車道の真ん中に反射板があり、ボランティアスタッフが「中央付近、足元に注意してください」と声を張り上げていたが、転倒している人を目撃してしまった。
国道2号に合流した直後、線路をまたぐ高架がある。 これが結構急な坂に感じた。 が、距離が短いので耐える。 そこから先は、車でよく通っている道。 須磨駅前を通過。 少し走ると「クォーターマラソンゴール右」と書かれた看板が目に入ってきた。 もう10kmになるのか、思っていたよりも早いな…… 薬が効いてきてくれたのか、右膝の痛みはだんだん無くなってきた気がする。 クォーターマラソンのゴール地点の少し前あたりで、もう先頭グループが折り返してきた。 先頭は白バイに先導されて走っていた。 早稲田大学のユニフォームを着ていた。 後続は……全然見えないし、なかなか来ない。 この時点で2分くらいの差が付いているのかな。 折り返しのルートは、まだ22kmくらい。

クォーターマラソンのゴール地点を越えて、海沿いの道に変わる。 海の方を見ると、何隻もの漁船が赤い旗を掲げている。 あとで知ったのだけど、この赤い旗、「大漁旗」というらしい。 海からも漁船が応援してくれていると言う事をしって感激してしまった。 町の一体感、「これぞ神戸」と地元の人が語っていた。

海沿いの道は結構長い…… 約15kmくらい、右折したら垂水ICに向かう十字路を左折。 マリンピア神戸の方に向かっていく。 川に橋がかかっており、小さなアップダウンが2つ続く。 ここで、右膝に再び痛みが……

マリンピア前を通過し、再び国道2号に戻ってきた。 ここから、舞子公園まで走り、そこが折り返しポイントになっていた。
だけど、折り返しポイントと言っても、中間地点ではない。 折り返しポイントは、まだ17.5km地点。 先は長い……

再びマリンピア神戸前に戻ってきた。 ここでトイレに寄ることに。 仮設トイレが4つしかなく、30人ほど並んでおり、用を足すまでに10分ほどかかった。 並んでいる最中に、ヴァームで栄養補給。 再び走りだしたのだけど、休んでしまったせいか、両膝が痛い…… すぐ先の給水ポイントで、再び痛み止めを2錠飲み、胃薬も1錠飲む。

ここから先がきつかった。 先ほど走ってきた道を戻って行くのだけど、ユーハイムの給食ポイントでは、既に品切れ…… その先の給水ポイントでは、紙コップが無くなってしまい、給水出来ない状態に。
だいぶ進み、25km付近、須磨駅の向かい側にあるファミリーマートの人たちが、商品のアクエリアスを紙コップに入れて配っていた。 だけど、ここでも紙コップがすぐに無くなり、ランナーが紙コップを使いまわしている状態。 ありがたく、1杯頂いて走り続ける。

このファミリーマートから少し行ったところで、白バイ数台と救急車が来ていた。 どうやら誰かが倒れたようだ…… すぐにサイレン鳴らして運ばれていった。

須磨水族園の前に差し掛かろうとしたとき、沿道で、洋ナシを向いている若い夫婦がいた。 洋ナシを一切れもらおうと思ったら、和菓子みたいなやつをくれたので、ありがたく頂く。 これで少しはエネルギーが補給されるか。

須磨水族園の先は、国道2号からそれる。 きつくなってきた。 26kmを越え、未知の領域に突入。 ここから先は体験したことのない距離。 どうなることやら…… ただ幸いな事に、今のところほとんど歩かずに走り続けることができている。

途中、何度か給水ポイントがあったのだけど、紙コップが足らず、直接ペットボトルを渡している個所もあった。 紙コップを使いまわしているところもあった。

30km地点を通過、31km地点付近にコンビニがあった。 お腹が空いてどうしようもなかったので、このコンビニに立ち寄る。 パンと、ビタミンCのドリンクを購入したのだけど、店内はランナーが多く、レジは10分くらい待った。 ここで、ビタミンCのドリンクと一緒に、痛み止め2錠と、胃薬1錠を飲む。 持ってきた薬は、これで全て。 わずか4時間ほどの間に、痛み止め6錠も飲んでいるので明らかに飲みすぎ。 通常は、1回2錠を8時間開けないといけない。
薬だけ飲んで、パンは歩きながら食べることに。 しかしパンを食べ終わっても、なかなか走れず…… ゆっくり走りだすが、足が思うように動かず、すぐに歩いてしまったり……
ホームズスタジアムの前を通過し、道は大きく左カーブ。 このあたりで、ようやく給食にあり着けた。 まず配っていたのはバナナ。 そして、輪切りのミカン。 最後に、大量のタケノコの里。 全て頂いて栄養を補給する。

ここからもほとんど走れず、つらい区間が続く。 34km付近、ハーバーランドまでやってきた。 このあたりは沿道で応援している人が、ものすごい多かった。 沿道の応援に応えて走り出したかったのだけど、走れず……
そして、ここから先は通常自動車専用道路になっているので、歩行者は立ち入ることができない道。 当然、沿道に応援の人はいない。 だけど、50m置きくらいに、ボランティアスタッフが配置されていて、そのスタッフが大声で応援してくれている。 一般者が入れない分、そういうところまで気を使ってくれている運営がすごい。
自動車専用道路は1kmほど登り坂が続く。 当然走れず…… ボランティアスタッフの応援にも応えられず歩き続ける。
ようやく長い上り坂が終わり、走り出すのだけど、やはり長い時間走れず、すぐに歩いてしまう。

そして、赤い大きな橋にさしかかった。 ここにも給水、給食ポイントがあった。 給食では、バナナ、ようかん、たけのこの里を配っていた。 ようかんは手がベタベタになりそうだったので、パスして、バナナとたけのこの里を頂いた。

給水ポイントでは、「神戸市水道局」と書かれたタンクの車が止まっており、薄い緑っぽい色の服を着た、水道局の職員が給水していた。 そして、大声で応援してくれていた。
一般人以外に、市の職員まで応援してくれているのか。 励みになるなぁ。 橋の上、風が相当強いので寒いだろうに……

そこからは何とか走ろうと努力しながら、走ったり歩いたり……
橋も終わりに差し掛かり、道が下って行く。 自動車専用道路が一般道に戻ろうとしようとしている付近で、救急車が走ってきた。 前方に停止。 その場所を通過したのだけど、若い女性が倒れて、毛布とかタオルをかけられている。 意識を失っているようで、すぐに救急車で運ばれていった。 この付近で、38kmくらい。 あと4kmで完走だったのに、この地点で倒れてしまうとは可哀そう…

最後の関門、38.8km地点までやってきた。 関門の時計は「5時間25分」を指していた。 あと4km。 6時間まであと35分。 30km地点くらいから「このままいけば5時間台で行けるよー」という応援の声を何度も耳にしていた。 5時間台か……
あと4kmを35分で走ればいいだけなのだけど、行けるかな…… ここから、最後の力をふりしぼって、走り続けることに。

海沿いの綺麗な遊歩道を走る。 「あと3km」の看板が見え、女子大学の前を通過し、「あと2km」の看板が見え、180度のUターンみたいな道を進み、あと1kmの看板が見えた。 もうちょっとだ……

そして最後の直線までやってきた。 この直線、700mだったはず。 最後の力を出し切らなくては…… もう足が思うように動かないので、腕を振って前へ前へと進む。 最後の200mくらいからは応援が凄まじかった。 ゴールは目の前!
そのままフィニッシュ。 電光掲示板の時計は、5時間52分25秒くらいを示していた。
タイムは遅かったが、フルマラソン完走! 申込をしたのが4月くらい。 初めて走ったのが6月くらい。 だけど、足が痛くなり2ヶ月ほど中断。 8月から、週に2度ほど、3~5km走っていたのだけど、9月に長女の事故があってからは中断。 10月の庵治マラソン直前に3km走り、庵治マラソンで12km走り、その翌週に5kmほど走った。
2週間前に、一日がかりで26km走り、この前の火曜に3km走った。 練習で走った距離は100kmにも満たないかもしれない。 これだけで挑んだ神戸マラソン。 当初の天気は雨だったので、とても完走できる気はしなかった。 だけど、当日の天気は快晴、風こそ強かったものの、マラソンには絶好の日和だったと思う。 改めて、完走できたことを嬉しく思った。 走り終わったあとは、達成感や感動より「やっと終わった」の気持ちの方が強かった。

そのまま誘導され、フィニッシャータオルという、完走者だけがもらえるタオルをもらい、電子タグと引き換えに完走メダルをもらい、ミネラルウォーターと、スポーツドリンクをもらい、バナナを1本もらう。
完走メダル

荷物は屋内に置いてあるようなので、荷物を取りに行く。
更衣室もあるのだけど、今座り込んだり、靴を脱いでしまったら、間違いなく歩けなくなってしまう。
ホテルは近いし、このまま帰ろう……

ホテルまで、とぼとぼ歩いて帰る。
部屋に戻ったらすぐに、ぬる目のお湯を入れて、浴槽内で睡眠しながら、1時間くらいつかる。 しかし疲れたなぁ……

風呂から出たら、足は激痛。

夕飯は豪華にホテルのレストランで食べる。 ホテルのレストランまで歩いて行くのも辛かった……

今回の神戸マラソン。 第一回の開催という事もあって、抽選の際に不手際があったり、多少トラブルはあった。
だけど、東京マラソンや大阪マラソンから学んだところは多いらしく、手荷物の預かりなど、ランナーとしてはありがたいサービスがあった。
走って感じたことは、沿道の応援がすごかった。 応援の人がいない区間は、自動車専用道路の区間くらいで、その他の区間は、歩道にすき間がないくらい応援の人が並んでいた。
コースを誘導するスタッフ、給水や給食のスタッフ、利用してないけど救護所のスタッフ、トイレの案内するスタッフ、AEDを積んだ自転車で、いつでも駆けつけられるように待機するスタッフ、応援の人が入れない区間で、応援するスタッフ、沿道の応援が飛びだしたりしないように注意するスタッフ。 ボランティアの人数は6000人にも及ぶらしい。
このマラソンが開催され、無事成功したのは、たくさんのボランティアスタッフのおかげなんだなぁと、走っていても実感した。
沿道の応援もかなりの励みになった。 55万人もの人々が応援に駆け付けたらしい。 こんな素晴らしいマラソン大会に参加させていただいて、とても感謝しております。 正直、走る喜びってのは、まだ理解できる領域に達していないけれど、マラソン大会を走れる喜びっていうのは、ものすごい感じた。 今年は第一回。 今年の反省点を活かして、第二回が開催されるなら、ぜひまた出場したいな。

後日談になるけど、須磨付近の海上で、赤い旗を掲げている船の赤い旗が「大漁旗」だと知ったのが完走後の夜。 神戸は市民が一体化している、市民が町を愛している、というのを知って、とても感動した。
50万人の人が応援してくれていたけれど、一番印象に残ったのが、大漁旗。 まさに男気を感じさせてくれた。

神戸マラソンの記録(9時スタート)
神戸マラソンの記録