なみおせっこついん

晴れマラソンから一夜明けたが足の痛みがひどい。 3月のとくしまマラソンよりはマシだが、今回は10日で直さないといけないので、放置しているわけにもいかない。
初トライアスロンの際に左の内転筋を痛めてお世話になった「なみおせっこついん」に行くことに。 会社からめちゃめちゃ近いので便利だ。
左足首、右膝、左内転筋が痛いと伝えて、いろいろ説明してもらった。 何かしらが原因で、左足首が外側に向いた状態で走ってしまい、それで痛みが出る。 すると左足が外側に向いているので、重心が右にずれて、右膝に負担がかかりそこが痛くなる。 さらに体がずれた重心をもとに戻そうとして左内転筋に負荷が掛かる、という状況だったと推測してくれた。
右膝の痛みは「腸脛靭帯症候群」という名前で、いわゆる「ランナー膝」という症状らしい。 詳しい説明の資料をもらったのだけど

■症状
・腸脛靭帯は膝の外側を通過して脛骨外側に付着。(腱性組織)
 この靭帯がすり合うことで徐々に出現してくる。
・膝の外側に緊張、違和感を感じ、その症状が徐々に灼熱感に変わってくる。
・痛みで走れない状態になるが、休むと楽になる。
 しかし再び練習を再開すると痛みがでてくる。
・重症な場合、痛み部分の摩擦を軽減するために、膝を伸展位で歩行するようになる。
■原因
・解剖学的にO脚の人は、腸脛靭帯の緊張が高まりやすい。
・一番の原因は、しっかりとウォーミングアップをしないこと。
・ランニングシューズの型を変えたり、傾斜のある場所を走りすぎたりする。(側溝の傾斜も注意)
・急な練習メニューの増加。
■予防法を考える
・練習活動を一時中止し、トレーニング量を痛みの出ない範囲までおとす。
・膝を1日3回ほどアイスマッサージを行う。(15~20分)
・腸脛靭帯のストレッチを中心に伸展性を確保する。
・ランニングコースの検討(傾斜)
・トレーナーに相談し、シューズなどアドバイスを受ける。
■治療について
・安静・アイシング・ストレッチで効果があります。
・腸脛靭帯・大腿筋筋膜張筋にパルスをかけ暖める。
 超音波・マイクロウェーブなど物理療法も有効。
・シューズを見直し、回内しやすくする。

と、書かれていて、症状の最後の項目は、まさにマラソンの終盤でものすごい見かける光景だ。 そこまで重症にはなってないが、医学的にはこのような説明がされているのね。
アイシング、電気治療、マッサージをやってもらい、左足首はテーピングで固定、右膝は湿布で治療することとなった。
1時間ちょっとで治療は終了、保険適用なので1,900円で済んだ。 普段、湿布には頼らないのだけど、今回は状況が状況なので、湿布の力に頼ることにしよう……

お昼は「トリッチトラッチ」へ。 モーニングは週1程度で来ているが、ランチで行くのは初めて。 ランチは「コロッケとイカリング」だった。 今日はめちゃめちゃお腹が空いており、揚げ物が美味しかった。
ランチ

帰宅してからは、昨日開催されたさいたま国際マラソンを見る。 さいたま国際マラソンは女子のみ出場できるマラソンで(市民マラソン枠の方は男女とも可)、後半に多少のアップダウンがある難コースとなっている。
今回のレースは、2020年に開催される東京オリンピックへの切符がかかっている大会になっている。 といっても、この大会で優勝したからオリンピック行きが決まるというわけではない。
まず「MGS」という「マラソン グランドチャンピオンシップ」という、東京マラソンの先行レースがある。 その大会で男女の上位2名は東京オリンピックに内定する。
そのMGSへの出場権が、この大会にかかっている。 MGSへの出場権がかかっている大会は4つあり、7月に行われた「北海道マラソン」、今回の「さいたま国際マラソン」、来年1月の「大阪国際女子マラソン」、来年3月の「ナゴヤウィメンズマラソン」の4つだ。
レース毎に出場権の条件は違うのだけど、今回のさいたま国際マラソンだと、
・日本人1~3位で、2時間29分00秒以内
・日本人4~6位で、2時間28分00秒以内
が条件となっている。 日本記録は野口みずき選手が2005年に出した2時間19分12秒なのだが、低迷している日本女子マラソンでも、今年のナゴヤウィメンズマラソンで安藤友香選手が2時間21分36秒、昨年の大阪国際女子マラソンでは福士加代子選手が2時間22分17秒、天満屋の重友選手なんかは2時間25分くらいのタイムを安定して出しているイメージがある。 それを考えると2時間28分や29分はけっこうぬるいタイムとも思えてしまう。
ただ、今回のレースではペースメーカーがつかないので、序盤から選手たちでペースを作って牽制しあっていかなくてはならない。
日本人選手の注目は、第一回のさいたま国際で日本人一位になり、昔は高橋尚子選手とも一緒に練習しており、今は実業団に所属しておらず普通のチームで練習を詰んでいる埼玉出身埼玉の星と言われる「吉田香織選手」。
もう1名は、19歳で初マラソンに挑戦し、10台最高記録である2時間27分21秒を叩き出し一躍注目される選手となったが、その後はタイムが振るわず、実業団のノーリツからドームへ移籍したばかりの「岩出玲亜選手」。
海外招待選手は、第二回のさいたま国際で優勝した「ダニエル選手」、エチオピア出身だが国籍をバーレーンに移して活躍している「ハブテゲブレル選手」など。

レースは国内海外招待選手が先頭集団を形成して、キロ3分30秒くらいのペースで推移していく。 5km、10kmなどの通過時刻と一緒に「世界記録」「日本記録」「MGS内定ライン」が示されていて、MGS内定ラインから出遅れる感じで序盤はレースが進む。
5kmの給水ポイントでは、ダニエル選手がスペシャルドリンク取るのを失敗。 だが、岩出選手からスペシャルドリンクを譲り受けていた。 飲んだ後、これ捨てていいの?みたいなジェスチャーをしていた。 だが、スペシャルドリンクを譲り受けたあと、市民ランナー用の水の入った紙コップを取って飲んでいたので、岩出選手のスペシャルドリンクは合わなかったのだろうか……
また同じ地点で、イギリスの「パデュー選手」がサングラスが邪魔になったらしく、給水所のスタッフに渡そうとしていたが、スタッフはボランティアでそういう対応を習ってないだろうから、誰も受け取らずに…… パデュー選手はその後、サングラスを右手に持ってしばらく走っていた。 さすがに投げ飛ばして捨てるのはためらっていたみたいだ。 TVでは映ってなかったが、次の給水ポイントでテーブルに置いたのだろう、きっと。 その後はサングラスが無くなっていたので。

吉田香織選手は16km地点から遅れ始めてズルズルと後退していく。 岩出選手も先頭集団についていけなくなり後退していく。
35kmを越えて、先頭は「ダニエル選手」「ハブテゲブレル選手」の争いになった。 そのまま41kmを通過し、どこで2人の決着が着くのか見ものだ。
最後の直線から右折して、200m先のゴールを迎えるのだがここでアクシデントが。 先導の中継車や白バイなどはゴールの手前で右折しコース外へと出ていく。 が、誘導ミスでランナーも2名ともそちらに行ってしまう。 ゴールは反対車線で残り100mくらいで両選手が気付いて、中央分離帯を乗り越えて正規コースに戻ってゴールした。
曲がった時点でダニエル選手が前で、1秒遅れくらいでハブテゲブレル選手だった。 そのまま順位は変わらず差は3秒差に広がっていたので、コースミスの影響はなさそうだったが、中央分離帯を乗り越えるというアクシデントはでかいなぁ。 たかだか30cmくらいの段差だが、終盤で全力でラストスパートしている状態で30cmもの段差を越えるのはかなり大変だ。 50m9秒くらいのペースは出ているだろうし。
その後、運営人が協議した結果、コースミスによる順位の変動は無いし、コースが多少短くなってしまったがそれでも数メートルなので、記録は公式だし、公認記録として扱うと表明された。
マラソンは42.195kmの長さが要求されるが、世界陸上連盟の定めているルールで、公認コースとして扱うには誤差がコースの1000分の1以下、つまり42.195mの誤差は認められている。 なのでかろうじて公認されたが、運営側のミスでこうなっているので、選手がかわいそうだ。 結果オーライでは済まされない問題だと思う。 3位以降のランナーはきちんと誘導されていたが。

日本人1位は岩出選手だったが、2時間31分10秒と、まったくふるわないタイムで終わった。 今大会からはMGS出場者は出なかった。
同じ日に、福島で「東日本都道府県対抗駅伝」というのが行われていたので、有力選手でそちらに出場していた選手もいたので、あまり面白くないレースになってしまった。

しかしゴール手前の誘導ミス、今回は順位も変わらず終わったのでよかったが、似たようなのが過去の箱根駅伝でもあった。
それは2011年の箱根駅伝の話。 箱根駅伝は優勝争いは面白いが、シード権争いも面白い。 10位までに入ったチームは翌年のシード権を獲得し、11位以降のチームは翌年は予選会からとなる。
なので10位までに入れば天国、11位以降なら地獄が待っている。 そういうシード権争いがあるという前提で、区間は最終10区。
ゴールまで残り1kmの時点で8位集団は4チーム「青山学院大学」「城西大学」「國學院大學」「日本体育大学」の4チーム。 このうち3チームがシードで1チームが落ちる。
残り300mの時点で國學院が先頭、だが1秒以内に3チームがついてくる。 300m先にはゴールが見えている。 ゴールの120mくらい手前で先導の白バイや中継車が右折してコースから逸れていく。 それに國學院がつられて右折してしまう。 係員が「こっちじゃない」と手を振っていて、続く3チームは逸れずにまっすぐ行く。 國學院の選手も気づいてすぐに戻るが10m近い差がついてしまった。
ゴールまで残り100m。 日体大、青山、城西、國學院の順位になってしまっている。 全チーム最後の全力で直線を駆け抜ける。 日体大が8位、青山が9位でゴール。 國學院がギリギリのところで城西を抜かし10位、城西が11位という結果になった。
これも誘導ミスのような感じだけど、そのミスに寄って運命が大きく左右されそうになっていた。 結果論だけど、最後の最後で國學院が抜かしたので、本来は8位の実力があったので、シード権を獲得できてよかった、ということになるのだけど、これでシード権落としていたらと思うと……
國學院の寺田選手はJR東日本で、城西の甲岡選手は愛媛銀行で、それぞれ活躍している。
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