架空通貨|池井戸潤

雨ゴールデンウィーク明けは雨から始まった。 三女を保育園に連れて行った後は、マクドナルドでくつろいでから会社へ。
池井戸潤の「架空通貨」とうい本を読んでいるのだけど、この本内容がやばい。 2003年の本なのだけど、時代の古さなどは感じさせず、現代とほぼ同じような描写になっている。
やばいのは田神亜鉛という会社が発行している「田神札」という架空の通貨。 下請け企業は元請けには逆らえないというジレンマもあり、将来性がどうなるかわからない「田神札」で代金を支払われたりして資金繰りに困ったりしている。 田神亜鉛で成り立っているような小さな町が、田神札によって支配されている。 第二章でそんな内容が描かれていた。
この本は、池井戸潤の二作目の作品なのだけど、「東京シティ銀行」「白水証券」という名称が出てきている。 東京シティ銀行は、後に発売される半沢直樹シリーズで、メインバンクではないが融資している銀行として登場している。 白水証券は「白水銀行」という名前で、半沢直樹シリーズでも、花咲舞シリーズでも、下町ロケットシリーズでも度々登場する、重要な銀行となっている。 第二作品目で作った名称を、後の作品でも使い続けているのが面白い。 架空の名称を固定したほうが、読者にとっても、いろいろなシリーズの本を読んで、その度に新しい名称が登場すると覚えにくいから、固定するメリットはあるのだろうか。
だが、その銀行を悪役的に使ってしまったら、それはそれで後の作品で変な先入観を生んでしまいそうだけど。