福岡国際マラソンを観戦する

晴れ9時15分くらいに起床。 今日は三女の保育園で「のびのび発表会」というミニお遊戯会みたいなのがある。 9時50分くらいに着くように出発。 三女の出番になって「ねずみの嫁入り」とう劇をやっていた。 三女は「太陽」の役だった。
ねずみの嫁入りは、とあるねずみの夫婦に子供が生まれた。 子供はとてもかわいかったので、普通のねずみと結婚させるのはもったいない、世界で一番偉いものと結婚させようとなった。 世界で一番偉いのは太陽だ、太陽は世界中を明るく照らしてくれる。 ということで、太陽に結婚を申し込んだら、「私より雲の方が偉いですよ、雲が出たら私なんて影になってしまう」。 次に雲のところに行って結婚を申し込んだ。 すると「私より風のほうが偉いですよ、風が吹いたら私なんて吹き飛んでしまう」。 次に風のところに行って結婚を申し込んだ。 すると「私より壁のほうが偉いですよ、壁が建ったら私は止められてしまう」。 次に壁のところに行って結婚を申し込んだ。 すると「私よりねずみの方が偉いですよ、いくら頑張って建っていても、ねずみにかじられたら穴が空いてしまう」。
一番偉いのは「ねずみ」だったのか、と気づいた夫婦は、隣に住んでいた立派なねずみと娘を結婚させました、というお話。

発表会が終わった後はお昼ご飯を食べに「明神そば」へ。 オープンしてから5年くらいか? 近い割に、一度も来たことが無かった。 お店は混雑していて4組待ちだったので、25分ほど待って案内された。
定番メニューの「明神そば」を細麺で注文。 食べてみたら、見た目はかなり油っこそうなのに、それほど油っこくはない。 もっと脂っこいのを期待していたのでちょっと残念。 味は普通な感じだったのだけど、何でこんなに行列ができるほど流行っているのだろうか。 個人的には混んでなければいいけど、並んでまで食べたいとは思わないなぁ。
明神そば

帰ってからは、今放送されている「福岡国際マラソン」を録画しているので、録画しながらおっかけ再生していく。
福岡国際マラソンは、2020年の東京オリンピックの、マラソン日本代表選考レース「MGC」への出場権がかかったレース。 福岡国際マラソンでMGSへの出場権を得るには、日本人3位以内で2時間11分以内か、日本人6位以内で2時間10分以内となる。
今回のレースはペースメーカーがキロ3分で30kmまで、日本記録と17秒しか差がない、2時間6分35秒ペースでレースを引っ張る。 福岡国際マラソンのコースはアップダウンの少ない高速コースで、東京マラソンで国内最高が出るまでは、ここのコースが国内最高タイムだったし、2時間5分台が出ているコース。 なので、2時間10分というのは全然難しくないタイムだと思う。
テレビで紹介された注目選手は「大迫傑」「川内優輝」「神野大地」の3選手だった。

大迫選手は、他の2人よりメディアへの露出が少ないので、マラソンファンじゃなければ名前を知らない人も多いかもしれない。
26歳で、早稲田大学出身で、現在はアメリカの「ナイキ オレゴンプロジェクト」に所属するプロランナーである。 日本人だと普通は実業団に行くのだけど、大迫選手は大学卒業後、1年だけ実業団の日清食品グループに所属したが、実業団を飛び出してアメリカでトレーニングをしている。 その「ナイキ オレゴンプロジェクト」は凄まじいチームで、10,000mで世界陸上3連覇、オリンピック2連覇、5000mで金金金銀、オリンピック2連覇の「モファメド・ファラー」が所属していたり、他にも有力選手が多数所属している。
早稲田大学時代は、学生駅伝三冠に貢献したし、駅伝で区間賞も多数獲得している。
またトラックでも活躍しており、5,000mの日本記録保持者。 男子や青年ではあまり馴染みが無いが、3,000mという距離でも日本記録を持っている。 リオデジャネイルオリンピックには、5,000m、10,000mで日本代表として出場している。
初マラソンは2017年4月のボストンマラソン。 世界陸連公認レースではないが、2時間10分28秒の3位でゴール。
今回の福岡国際マラソンは、マラソン2レース目とのことで、まだ経験が浅いのだけが不安だが、実績は十分すぎる。 そんな大迫選手の凱旋レースとなる。

川内優輝選手は、言わずと知れた「公務員ランナー」。 数々のレースに出場して、昨年の福岡国際マラソンでは足の不調を押して出場し、堂々と2017年世界陸上の日本代表に内定した。 川内選手は「暑さに弱いので、真夏に開催される東京オリンピックには出場しない」と名言しているのだが、MGCは関係ないとしても注目されている。

神野大地選手は、青山学院大学時代に大活躍し、三代目の「山の神」と呼ばれている選手。 実業団は「コニカミノルタ」に所属して日々トレーニングを積んでいる。
マラソン自体は、今回が初レース。 どれくらいのタイムでゴールできるかが期待されている。

レースは14名ほどの集団で進んでいく。 11km地点にある給水で、大迫選手が給水に失敗。 ゼッケンが「27」なので、1桁目の数字の「7番テーブル」にスペシャルドリンクが置いてあるのだけど、一番手前に置いてあったのを見逃して、過ぎた後振り返っていた。 が、ペットボトル水で提供されているゼネラルドリンクを取ったので、水分自体は大丈夫だろう。 レース経験が浅いので、気持ちの面でダメージを受けていないかが心配だった。
川内選手は17km地点で先頭集団から離れてしまう。 神野選手も21km地点で先頭集団から離れてしまう。
どんどんと、先頭集団から振るい落とされる中、最後まで残った日本人選手は大迫選手。 33kmくらいでノルウェーのモーエン選手と、ケニアのカロキ選手が飛び出す。 大迫はついていけずに3位となる。 36kmくらいで、モーエン選手がスパートをかけ、単独でトップとなる。 モーエン選手はノルウェーの選手なのだが、ノルウェーにこんなに強い選手がいたとは。 ノルウェーは北欧なので、スノースポーツが強いイメージがあって、陸上選手なんて一人もわからない。 この、モーエン選手も、自己ベストは2時間10分台と紹介されていた。 が、このペースで行けば2時間分台でゴールできる。 アフリカ勢だと2時間5分なんて珍しい記録ではないが、アフリカ勢以外だと、1つか2つしか出てないのではないだろうか。

37.4km地点、大迫選手は4位を走っていたウガンダのキプロティク選手に追いつかれる。 キプロティク選手は今までに2人しかいない、世界陸上とオリンピックで金メダルを取った選手と紹介されていた。 そんな、正真正銘世界で活躍している選手に、大迫選手は食らいつく。 離されないよう、ぴったり後ろにくっついて走っていく。 TVで見ていたら、そのまま追い越されて離されてしまうかと思ったが、大迫選手の粘りはすごく、離されずに食らいつく。 残り5kmなのに…と思ってしまうが、戦ってるレベルが全然違うけど、オレも37kmからの5kmは地獄のように感じる。 プロからしたら5kmなんて15分くらいなのだが、人生で一番長く辛く感じる15分間かもしれない。

39km地点で、2位を走っていたカロキ選手に、大迫選手達の3位集団が追いつき抜く。 カロキ選手はついてこれず4位に転落。
キプロティク選手は大迫選手にぴったり後ろにつかれるのを嫌がっており、何度も後ろを振り返りながら走っていたが、39.3km地点でスパートをかけ、大迫選手を引き離す。 さすがに大迫選手もついていけず、2位との差がどんどんと広がっていく。 残り3kmを単独で走らないといけない、なんとかタイムを落とさず走りきってほしい。
このペースで行ければ、15年ぶりの2時間6分台が出そうな予想タイムとなっている。

先頭を走っているモーエン選手が競技場に戻ってきて残り1周半。 最後は悠々と走り、2時間5分48秒でゴール。 自己記録を5分も更新し、ヨーロッパ記録を22秒更新。 ヨーロッパ記録は2時間6分10秒だったのだが、ついに5分台に突入した。
キプロティク選手は2位で2時間17分10秒。 大迫選手は最後はかなり疲れた様子でゴール。 タイムは2時間7分19秒。 ゴールした後は膝に手をついて動けなくなっていた。 最後の最後まで手を抜かず追い込んだ結果の疲労具合だ。
大迫選手の2時間7分19秒というのは日本歴代5位のタイム。 日本記録が2時間6分16秒なので、あと63秒と迫っている。
2時間6分台がでなくて残念だったが、それでも2時間7分台は凄まじいタイム。 2015年に今井正人選手が2時間7分39秒、2012年に藤原新選手が2時間7分48秒を出しているが、それを上回る記録。 今の日本男子マラソン界だと、10年に一度の好記録だった。

この調子で行くと、大迫選手は東京オリンピックのマラソン日本代表に内定するかもしれない。 だが、大迫選手は5,000m、10,000mでもオリンピックに内定する実力を持っている。 さすがに、マラソン、5,000m、10,000mの3種目は無理だろうから、出場するならマラソンか5,000m、10,000mの2種目にするか選ばなくてはならないな。
「オリンピック出場種目を選ぶ」というのはものすごい贅沢な話だが、それくらいの実力があるということ。
世界的に見ると、いくら大迫選手がすごくても、5,000mや10,000mでメダルを取ることは難しい。 日本記録が出ても取れないかもしれない。
マラソンもタイム的に見ると、日本記録が出てもメダルは取れないことが多い。 が、東京マラソンは真夏に開催される。 5,000mや10,000mと違って、暑さがパフォーマンスにかなり影響を及ぼす。
ロンドンオリンピックの優勝タイムは2時間8分1秒、3位は2時間9分37秒。
リオデジャネイルオリンピックの優勝タイムは2時間8分44秒、3位は2時間10分5秒。
つまり、真夏のマラソンはスピードよりも、暑さに耐えられる体力と、駆け引きがかなり重要になってくる。 スピードの無い日本人選手でも十分に通用するということだ。
ちなみにリオオリンピックの5,000mを日本記録ペースで走っても7位、10,000mを日本記録ペースで走っても9位。
となると、大迫選手にはマラソンで活躍してほしいが、あとはその時のコンディションと、一番大事なのは本人の気持ちなので、どれに出るかはわからない……

日本人2位は大塚製薬の上門大祐選手で2時間9分27秒、MGCの出場権を獲得した。 この選手は名前も聞いたことが無く、ノーマークだった。 大塚製薬は徳島の会社なので、四国からこんな選手が出てくれて嬉しい。
日本人3位はNTT西日本の竹ノ内佳樹選手で2時間10分01秒、MGCの出場権を獲得した。 この選手も名前を聞いたことが無かった。 竹ノ内選手は最後はかなり頑張っていた。
トラック入ってから走りがおぼつかない。 自分でタイムは見てるだろうし、電光掲示板にも映されている。 2時間10分を切れるかどうか、という戦いだったのだが、結果的には2秒及ばず切れなかった。 だが、切ろうとする努力はTV越しでもものすごい感じた。 ラストの100mも全力で走っているが、もう足がおかしくなっているので全然スピードが上がらない。 ゴールした直後はそのまま倒れ込む。 最後の最後まで追い込んだ証拠だ。 倒れ込んだら係員がすぐに寄ってきて、車椅子を準備しようとしていたが、手を振って断っている様子が印象的だった。

序盤で先頭集団から離れた川内選手は、後半になってペースを取り戻し日本人4位の2時間10分53秒でゴール。
神野選手は2時間12分50秒で、苦いマラソンデビューとなった。

福岡国際マラソンを観戦したあとは、自分のモチベーションも上がっているので、ジョギングに行くことに。
久々に14.8kmコースを走ってきた。 夕方になる前に走り出したのに、帰ってきたら陽は沈み真っ暗になってしまっていた。 14.8kmを1時間22分14秒、キロ5分35秒ペースだった。
走り終わった後は、左膝が痛くなってしまった。