【徳島】三嶺~剣山【縦走】

晴れ今日は昨年からの目標であった「三嶺~剣山」の日帰り縦走を行う。
先日、折りたたみ自転車を購入し、ようやく縦走できる環境が整った。

この縦走にはいくつかこだわりがある。
まず「剣山~三嶺」の縦走ではなく「三嶺~剣山」の縦走であるという点。
剣山起点の場合、標高1500m地点から、2000m地点まで登り、アップダウンを繰り返しながら1800m地点を目指し、800m地点に下る。
三嶺起点の場合、標高800m地点から1900m地点まで登り、アップダウンを繰り返しながら2000m地点を目指し、1500m地点に下る。
どうみても、辛いのは三嶺起点の場合。
また、車を置いてあるところまで戻ることも考えなくてはいけない。 三嶺に下った場合は、車までずっと登らなくてはならない。 この場合、自転車はかなり無力だ。
そして、三嶺起点でも、登山口がいくつかある。
一般的な縦走コースで使われるのが「名頃登山口」。 だが、個人的にこの登山口はあまり好きではないので、疲れるが内容が充実してる「いやしの温泉郷」から登るルートを選択。

地図上でのコースタイムは11時間45分。 しかし、このコースタイムは疲労や休憩時間を考慮していない。
実際にはその時間よりだいぶ延びるだろう……

それを日帰りで実行するので、相当早くから登らないといけないな。

というわけで、前日の22時半に家を出発。 本当は夕方に出たかったのだが、いろいろあってこの時間にしか出られなかった。
深夜1時前に見ノ越に到着。 折りたたみ自転車を組み立てて、運動靴と自転車用のライトを自転車とともに置いておく。 下山してきたら、この自転車で車を目指すのだ。

いやしの温泉郷登山口には深夜1時半くらいに到着。 とりあえず早く寝なくては…… 目覚ましを午前4時にセットし、狭いパジェロミニのトランクで就寝。

あっという間に目覚ましが鳴る。 眠い目をこすり、必死になって起きる。 外はまだ真っ暗。 そしてかなり寒い。
とりあえず朝食。 コンビニで買っておいた、レトルトの赤飯があるので、お湯を沸かして作る。
ご飯を食べ、コーンスープを飲み、登山の格好に着替え終わったのが5時くらい。 しかしまだ真っ暗だ… とてもこの暗闇では登ることができない。 計画では5時くらいに出発だったのだが、仕方ないな。 そして眠いので5時半くらいまで仮眠するか。 再び目覚ましをセットし30分ほど仮眠。 次に目が覚めたら、外は結構明るくなっていた。 これなら登れるな。

ゴソゴソといろいろしてたら、結局出発は5時50分になってしまった。

今日の山行は相当ハードになるので、気合いを入れていかなくては。
いやしの温泉郷登山口

出だしは地元の人か、有志によって登山道の草が綺麗に刈られていた。 が、少し進むと草ぼうぼう。 胸辺りまで丈があるので、下半身はビショビショだ。 だが、山の中に入ったらこんなのは無かったはずなので、すこしだけの我慢。
草ぼうぼう

少し進み、山の中の道に入る。 少し歩けばズボンも乾くだろう。 序盤はけっこう傾斜のきつい道が続いたと思う。 慎重に行かなくては…… しかし歩き始めて僅か10分ほど。 どうも右膝に違和感が…… 全然歩いていないのに、膝が痛くなる兆候が… なんでだ? 先週は登山に行ってないし、最近特に激しい運動をした覚えもない……

途中から痛くなるのは仕方ないが、こんな序盤で痛くなってもらっては困る…… もっと歩幅を狭くしてゆっくり歩かなくては。

モノレールと並行して歩く道に出て、急傾斜の道を歩き、モノレールのレールをくぐる。 そしてしばらく歩くと、旧造林小屋に到着。 コースタイムの区切り地点なので、ここで少し休もうか。
観光モノレール 観光モノレール 旧造林小屋

前回は1時間13分で到着したのだが、今回は1時間37分もかかっている。 地図のコースタイムは1時間40分なので、予定通りといえば予定通りなのだが、前回のタイムも計画の参考にしてるので、ここでも20分オーバーは影響が出そうだ。

前回、アイゼンを付けた個所を通過し、開けた樹林地帯へ。 ここから、ゴールとなる剣山が綺麗に見える。 そしてメチャメチャ遠い。 本当にあそこまで行けるのだろうか……?
前回、アイゼンを付けた場所 開けた広場 剣山、次郎笈

開けた場所を通過し、少し進むと1791m地点。 ここで少し休憩するか。 ここからは三嶺小屋や、山頂が見える。 少し下って、登りなおしたら三嶺小屋だ。 もう少しだ!
1791m地点より

そして、三嶺小屋に到着。 とりあえず、三嶺山頂で休憩するか。
三嶺小屋 三嶺山頂方面

すぐに三嶺山頂に到着。 ここでおにぎりを1つ食べて休憩。 ここまでも結構なコースなので、普通にピストンでも充実した感じがする。 が、ここがようやくスタート地点のような感じだ。 先はまだまだ長い。

最初の予定では、ここには9時くらいに到着する予定だった。 今の時刻は10時前。 だいぶ遅れてきてしまった。 ここから白髪避難小屋までが2時間。 白髪避難小屋から丸石避難小屋までが3時間。 丸石避難小屋から次郎笈までが2時間。 単純計算で、次郎笈に到着するのが17時… しかも疲労を考慮していないタイム。
最悪の場合は、丸石避難小屋から、二重かずら橋にエスケープするルートも考えてはある。 が、車まではとても歩いていきたい距離ではないので、何とかしないといけないが、とりあえず国道まで出たら安全というルート。

とりあえず白髪避難小屋まで頑張ろう。
天狗塚方面 三嶺山頂 カヤハゲ、白髪山方面 高ノ瀬方面

三嶺から白髪避難小屋へ向けて、急な下りが始まった。 下りは間違いなく膝が痛くなるので、今回は秘密兵器を持ってきた。 冬山以外では使わないようにしていたストック。 この時期なのだが持ってきてしまった。 ストックがあれば、下りで足への負担はかなり減らすことができる。 使うのは下り限定で。 登りでは使わないようにしよう。

ストックの効果は絶大で、全く足に負担がかからずカヤハゲへのコルまで下りてきた。 カヤハゲへの登りもそれほど大したことはない。 カヤハゲで少し休憩し、白髪避難小屋を目指す。 コルについたらストックをしまい、山頂についたらストックを準備する。 この手順がけっこう面倒だけど、手に持ったまま歩くわけにはいかないので。 少しの手間を惜しむだけで、体にはダメージが…
カヤハゲより三嶺 カヤハゲ カヤハゲより白髪避難小屋方面

白髪避難小屋への登りが始まった。 ここの登りはなかなか渋い。 けっこうな急斜面が続く。 まぁ、足場が草なので、歩きやすいのだが。

白髪山への分岐を通過し、白髪避難小屋に到着。 中で少し休もうかと思ったが、小屋は密閉されていたため微妙なにおいが充満。 そして薄暗いので、外で休憩することに。 が、あまり休憩している時間も無いので、すぐに歩きだす。
時刻は11時46分。 上に書いた大雑把なコースタイムよりは早いペースだが、ほんのわずかに早いだけ。 ここから先はアップダウンも少なくなるが、その分距離が長い。 頑張ろう。
白髪山分岐 白髪避難小屋

1700m地点、1736m地点を通過。
1700m地点 1736m地点 三嶺

石立山の分岐を通過し、高ノ瀬を目指す。 高ノ瀬直前で、前方からお遍路さんの格好をした人が歩いてくる。
すれ違いざまに話したのだが、なんと相手は外国人。 格好はお遍路さんだが、靴はきちんとした登山靴。 話をしてみたらオランダ人とのこと。 剣山から来て、大歩危駅を目指してると。 そして途中からはバスで移動するんだって。 水曜日には京都に行かないといけない。 という事を、相手のうまい日本語と、オレのへたくそな英語でやりとりして別れた。

石立山分岐

高ノ瀬で少し休憩し、丸石を目指す。 丸石の二重かずら橋の分岐の時点での時刻は重要だな。
剣山、次郎笈 高ノ瀬

高ノ瀬からの下りの途中で、女性2名のパーティとすれ違った。 この時間にここにいて、三嶺方面に歩いて行くという事は、今日は白髪避難小屋泊まりか? それともその付近に野営か?

二重かずら橋への分岐を通過し、丸石避難小屋に着いたのが14時22分。 大雑把なコースタイムより40分短縮。 このペースなら間に合いそうだ。
丸石避難小屋

足が非常にだるく、座って休憩をしたかったのだが、休んでいる時間は無い…… お腹も減っているので、丸石を目指す途中、歩きながらパンを食べることに。 緩やかな上り坂が続く地点なので、歩きながら食べるチャンスはここしかない。
丸石を目指す

丸石への道ではけっこう人とすれ違った。 単独の男性、10人程度の60歳前後のグループ。 二重かずら橋から登ってきたのだろうか? それとも三嶺を目指して、山泊まりだろうか?

しばらく歩き、丸石に到着。 ようやくここまでやってきた。 次郎笈はすぐ目の前に見える!!
が、ここからスーパー林道の分岐付近まで一気に下る。  そしてそこから次郎笈までは標高差300mの登り。 これはかなりつらいだろう…… 丸石でも休みたかったが、ここでも休んでいる時間は無い…… ストックをしまう都合があるので、スーパー林道分岐まで行ったら休もう……
丸石 次郎笈への道

膝が痛くならないように、ストックに体重を乗せて下っていく。 序盤で痛くなりかけた右膝だが、たまに痛む程度で、ほとんど問題は無い。 左は痛くなる気配は無い。 このまま行ければ大丈夫そうだ。

丸石からの下りは、気持ちのいい笹原なのだが、今は疲労で、そんなことを考えている余裕があまりなかった。
クタクタになりながら、スーパー林道分岐まで到着。 ここでようやくしゃがみこむ。 お茶を飲み、チョコをむさぼる。
不思議なことに、お腹はあまり空かない。 出発してからここまで、おにぎり1個半、パン1個、チョコ4粒程度、ビスケット3枚程度しか食べていないのだが…… お茶の残りは500mlくらい。 コーンスープや紅茶を飲もうと真水が2Lあるのだが、とてもそんな時間は無さそうだ。 ここから先はあまり飲みたくはないが、水場もあるので不要な水は捨てて荷物を軽くしよう。 水を1.5Lくらい捨てて荷物が1.5kg軽くなった。 次郎笈への登りが少し楽になるかな……
スーパー林道分岐

剣山へのトラヴァースルート分岐までが前半、そこから山頂までが後半か。

ここも結構な急な登りが続く。 クタクタで辛い…… トラヴァースルート分岐までやってきた。
丸石方面 トラヴァースルート

ここから次郎笈の山頂までの標高差は100mちょっとなのだが、かなりの急傾斜だ。 正念場だな…… なんとか登り切り次郎笈山頂に到着。 時刻は16時20分。 残り体力もかなり少ない。 目指す山はあと1つ、剣山だけだ。 そして目の前には、その剣山が見える。
あとちょっと……
次郎笈山頂が見える 次郎笈 剣山

次郎笈を下り始める。 そういえば、何度も次郎笈に来ているが、いつも丸石方面に下るので、剣山方面に下るのは初めてだな。 そして、次郎笈方面から剣山山頂を目指すのは今日が初めてだ。
いつもは剣山から次郎笈を目指し、そのまま西島に向かうので。

次郎笈の下りで思ったより時間がかかった。 そして剣山への登り。 登りなのでストックはしまわないといけないのだが、体力的にもう限界。 ストックを使って登ることに。 足で登らないといけないのだが、腕で登っていたような気がする。 体力と気力が尽きる前に、なんとか剣山山頂に到着。 時刻は17時23分。 しかしここで終わりではない。 ここから見ノ越まで下りなくては。 まぁ暗くなっても下りられるようなルートだけど、最後の下り、頑張らなくては……
次郎笈 剣山

下りに使うルートは最短コースの、刀掛の松経由のルート。 このルートはけっこう階段が多いので膝だけはカバーしなくては。 剣山への登りで、ストックを使って登ってしまったので、膝にダメージを受けたかも。

この時間、誰もいない登山道を西島に向かって歩く。 丸石手前から誰にも会っていないな。 次郎笈でも時間が遅かったため誰もいない。 剣山山頂では、別の遊歩道にヒュッテ泊まりの様子の親子がいた。 ヒュッテ脇を歩いた時は、なかから笑い声が聞こえてきた。 孤独だ……

いつも一人で登っているので孤独は慣れているし、好きなのだが、疲労と孤独と、闇が重なるとなんとも言えない気分になってきた。
18時、西島到着。 当然だけどリフトの営業時間は終了している。 次郎笈山頂にいる時、「16時45分で終了です」という放送が聞こえてきていた。
まぁリフトが営業していても絶対に乗らないが。
西島

三連休なので、西島の野営場には誰かいると思ったが、テントが1つも見当たらない…… 野営場を越えたら樹林地帯に入るので、一気に暗くなってきた。 とりあえず、まだヘッドランプ使わずに歩ける明るさだな。 しかしこの時間、暗くなるのは非常に早い。 リフトの下をくぐる部分で、もう何も見えなくなりそうなのでヘッドランプを準備。 ここまで来たら、もうすぐだ。

真っ暗な中ライトを頼りに歩いていて怖いことがあった。 それは鹿。 ガサガサと音がして、突然目の前に現れる。 昼までも少しビクッとするのだが、夜はそれが怖い。
まぁ鹿は襲ってはこないだろうが。
途中、草を食べてる鹿に遭遇したし…
野生のシカ

そして、18時41分。 ついに下山した。 深夜に自転車を置きに来た見ノ越の駐車場に向かう。 自転車の場所に戻ったら疲労で座り込んでしまった。 座りながら登山靴から運動靴に履き替え、長袖を上からはおり、登山靴をザックの中にしまう。 さて、ここからいやしの温泉郷登山口まで、自転車で移動だ。 この自転車の移動は、真っ暗になる前に済ませておきたかった……

自転車のライト+ヘッドランプで、真っ暗な国道439号線を進む。 車で通った時計測しておいたが、いやしの温泉郷登山口までは15km。 最初の13kmが下り。 最後の2kmが登り。 深夜の車走行で30分ほどかかった。 自転車でもほぼ下りなので、同じくらいの時間でいけるだろうか? とりあえず、車にひかれないように、走行中に転倒しないように、鹿にやられないように、気をつけなくては。

こんな真っ暗のなか、18時58分、出発。 下り坂なので、快適に走行できる。 折りたたみ自転車で多少不安定なので、スピードはあまり出さないように気をつけて…… しかし高校卒業してから、自転車なんてまともに乗っていなかったので、めちゃめちゃ久しぶりだ。 先週4日ほど、折りたたみ自転車の乗り心地を確かめるために1日8kmくらい走っていたが。

リュック背負ったまま走ってるので、背中が重いが楽しい。 途中、対向車とすれ違ったが、車の人は、こんな真っ暗な中自転車で走ってる姿をみて、何を思ったのだろうか……
19時18分、名頃通過。 19時30分、いやしの温泉郷分岐までやってきた。 33分で13km、車とあまりペースは変わらないな。

そして地獄の2kmの上り坂。 最初は下り坂でつけた勢い+立ちこぎでなんとか走ったが、息が切れそれ以上こげなくなった。 自転車を押しながら歩き、緩やかな個所を見つけては乗って進む。 車で走った感じと、実際自転車で走った感じは多少違く、自転車でもそんなに押すことなく走行することができた。

19時40分、ようやく車まで到着。 

癒しの温泉郷登山口から、見ノ越まで、行程時間は12時間51分。 そのうち休憩が56分。 意識して休憩時間を短くしたが、1時間以下だったとは。 それにしてもよく歩けたなぁと感心。 膝は痛くないが足は非常に痛い。 リュックとストックのせいで、肩も痛い。 素手でストックを使っていたので、てのひらも痛い。

だけど、去年から目標に立てていたコースを走破できてとても満足。 たぶんこのコースを日帰りで挑戦することは、もう無いだろう…… もしまた、同じコースを歩くとしたら、山の中で1泊したい。

家を出てからちょうど24時間後の、22時30分くらいに帰宅。

本日のコースタイム
05:50 いやしの温泉郷登山口
07:27~07:33 旧造林小屋
09:03~09:11 1791m地点
09:32 三嶺小屋
09:45~09:55 三嶺山頂
10:46~10:51 東熊山山頂
11:02 韮生越
11:30 白髪山方面分岐
11:40~11:46 白髪避難小屋
12:09 1700m地点
12:36~12:40 1736m地点
13:10 石立山分岐
13:35~13:38 高ノ瀬
14:22 丸石避難小屋
14:51 丸石
15:15~15:22 スーパー林道分岐
15:59 トラヴァースルート分岐
16:20~16:24 次郎笈山頂
16:45 トラヴァースルート分岐
16:58 西島方面分岐
17:23 剣山山頂
17:48 刀掛の松
18:00~18:03 西島
18:41 見ノ越

ここから自転車でのコースタイム
18:58 見ノ越
19:18 名頃
19:30 いやしの温泉郷分岐
19:40 いやしの温泉郷登山口

【徳島】一ノ森~剣山~次郎笈

晴れ今日は久々の登山。 4時15分起床、4時半出発で一ノ森を目指す。
すっかり春らしい陽気だけど、国道492号線はコリトリ~見ノ越は冬季通行止め。 今回登る一ノ森は「コリトリ」から登るので、ぎりぎり登山口までは行くことができる。
走ること約2時間、コリトリ登山口に到着。

じつは今回のコース、2年前にも登ったことがある。 その時は精神的にも体力的にもボロボロになった。 そのリベンジも兼ねて、その時以上のコースを練ってある。
装備も技術も2年前とは比べ物にならないはず。

国道沿いの空き地に車を泊めて準備&出発。
神社の方に向かう林道を少し歩くと登山口。 さて、厳しい登山道の始まりだ。
しょっぱなからかなり急な道が続く。 ウォーミングアップくらいの道がいいのだが、激しすぎる。

しばらく歩くと造林小屋っぽい廃屋が見えてきた。
廃屋

その直後、林道に合流するのだが、除雪車代わりに使ったとみられる重機が。 そしてタイヤには超巨大チェーンが。
巨大チェーン

このタイヤ、何インチなんだ?

何度か林道を横切り、ようやく神社まで到着。 林道が工事と化してなければ、ここまでは車で来ることもできる。
神社入口

さて、ここまではほんの一部にすぎない、本当の登山はここから始まる……
コースの由来となる「冨士の池」を見て、神社の脇から登山道に。
冨士の池

少し斜面を登ると、辺りが一気に白くなった。 火曜か水曜に降ったとみられる雪だね。 しかしシャーベット状でとても歩きにくい。 体重をかけると、辺り50cm四方くらいが崩れる。
体力を消耗しそうだ…
シャーベット状の雪

登山道は相変わらずとても急。 道は全然手を抜いてくれない。 ひたすら急な道が続くだけ…
しばらく歩き「追分」に到着。 いやー疲れたなぁ。
追分

追分で少し休憩して、一ノ森を目指す。 ここからの標高差は400mほど。 もうひと踏ん張りだな。
体感的には、神社~追分間より傾斜は緩んだ感じがする。 雪質もシャーベット状からサラサラに変化して、歩きやすくなってきた。
しばらく歩き、樹林帯を抜けて笹原に出たら、ヒュッテはすぐ近く……と思っていたのだが、笹原に出てから15分くらい歩いたな… ようやくヒュッテが見えてきた。
一ノ森ヒュッテ

ヒュッテの前には木のテーブルとイスが用意されていて快適に休める。 さすがに疲れたなぁ……
ヒュッテは営業期間外なので、扉は固く閉ざされている。 近くに冬小屋というのがあったので、覗いてみた。
一ノ森冬小屋 一ノ森冬小屋

入口の扉が一重だったけど、中にはストーブや着火剤が準備されていて、快適に過ごせそう。 けど狭いか… 普通で4人、がんばっても6人程度のスペース?

さて、剣山に向けて出発するか。 一ノ森の山頂を経由して剣山に向かう。
一ノ森山頂

山頂からは剣山と次郎笈がとても綺麗に見える、特に次郎笈は素晴らしい。
剣山 次郎笈

小さな登りを2つ越えて剣山は目前!
剣山

頂上付近のなだらかな場所に着いたのだが、人が誰もいない……けっこう人気の山なので、誰かしらいると思ったのだが…
剣山

まぁ、一人で山頂を満喫しました。
剣山山頂

さて、ここはまだまだ通過地点。 目指すはもう一山先の次郎笈。
この雄大な景色を見て、あそこに登りたくならないはずがない。
次郎笈

剣山を下り、次郎笈の上りに入ったあたりで、後ろを振り向くと素晴らしい姿の剣山が見られる、と以前来た時、写真家のおじさんに教わったことがある。
剣山

次郎笈の登りを登り切り、ようやく山頂! ここで60前後の夫婦に出会う。
高ノ瀬、丸石 一ノ森 剣山 次郎笈

その夫婦と少し会話し、夫婦は発って行った。 山頂にはオレ一人。 気温も10度前後あり風も遮れるのでとても暖かい。 コーンスープとおにぎりを食べお腹もいっぱい。 少し横になるか……
気持ちがよく、ついウトウト。 15分くらい眠ってしまったようだ。
もっと寝ていたいけど、ここから4時間の下りが待っている。 あまりゆっくりしている時間もないな。

今回の山行を決めるとき、ここからどのルートを通って帰るかが悩んだ。 一番無難なのが、来た道をそのまま戻るルート。 だけどそれだとなんだか面白みがない。
ということで、いったん西島まで向い、そこから少し登り返して刀掛まで、そこから行場方面に向い、お花畑経由で追分まで。
行場~追分は2年前と同じルート。

さて、まずは西島までか。 見ノ越から登って帰る時にいつも通るルート。 剣神社の大岩の下を通って行った。
剣の岩

西島にもいいベンチがあるので、休んでいった。 ここから刀掛まで標高差100mほどの登り返し。 ここにきての登り返しはきついだろうな。
西島

時刻はまだ13時。 この時間くらいならまだ登ってる人もいるかと思ったけど、誰もいない…
で、刀掛に到着。
刀掛

ここから誰も歩いていないだろうルートに入っていく。 日中も日蔭らしく、さらさらの雪が残っていた。
さらさらの雪

穴吹川源流を渡り、追分を目指す。
穴吹川源流

しばらく歩きお花畑に到着。 が、季節はずれのため何も無い……
お花畑

地図には「キレンゲショウマ」と書いてあるのだが、植物には全く興味がないため、どんな花が咲くのかすら知らない…
あちこちに鹿よけがあって、鹿との闘いが大変そうだ。

お花畑を越えてからは道が狭くなり、どんどん標高を下げながら歩いて行く。
追分へ向かって

しばらく歩き追分に到着。 足がだるく、右膝が痛い。 ここから、コースタイムで90分の下りで駐車場だ。 このルートで最も急な箇所だ。

しかたない、ラッセル時以外は使わないようにしていたストックを使って、膝の痛みを和らげながら歩くか。 登りは苦だった雪も下りは、スピードを出すのにちょうどよい。 ストックも膝をカバーしてくれるので、思ったより早く神社まで降りてこられた。

神社から林道を歩いていると、正面の斜面から何かがオレを見ている……見た瞬間はイノシシかと思った。
ニホンカモシカ

しかしよく観察してみると、鼻が小さい。 なんだこれ? ストック同士をぶつけて、音を出し、反応をうかがってみてもひたすらこちらを見つめているだけで、動こうとしない。
しばらく見つめあっていたが、まぁ襲ってはこないだろう。 そのまま横を素通りしたけど、それでもこちらを見つめているだけ。

林道をそれて山に入って急な道を下山する。 ようやく車まで到着。 あとは2時間の家までのドライブ。

先ほど出会った動物、家に帰ってから調べたら「ニホンカモシカ」という特別天然記念物らしい。 四国ではとても生息数が少なく、剣山周辺の一部山域にしか生息していないとのこと。 生息密度は0.71匹/1km平方メートルらしい。
偶然こんな貴重な動物に出会えて超ラッキー。
写真は4枚ほど撮ったのだが、きちんと撮れてるのがこれしかなかった。

前回の登山のリベンジを兼ねた今回の登山は、まぁ上出来だったと思う。 前回より重い荷物を背負って、前回より長いコースを歩き、前回より疲労が少ない。
剣山~三嶺まで縦走するのもいいけど、一ノ森~天狗塚までの縦走はもっと魅力的に思えてきた。 遙かに長いけれど…
まぁテント背負った縦走は装備の関係もあり、来年以降になりそうだ。

本日のコースタイム
06:31 492号コリトリ
07:27 剣山龍光寺入口
07:32~07:40 神社で休憩
08:30~08:42 追分
09:30~09:45 一ノ森ヒュッテ
10:33~10:43 剣山山頂
11:27~12:11 次郎笈山頂
12:41 二度見展望
13:03~13:09 西島
13:21 刀掛
13:41 穴吹川源流
14:33~14:46 追分
15:14 剣山龍光寺
15:57 492号コリトリ

【徳島】奥祖谷二重かずら橋~丸石~次郎笈

雪今日は登山、4時45分起床、5時出発。
今日は次郎笈を登りに行く。 ただ、見ノ越から剣山経由ではなく、「奥祖谷二重かずら橋」というところから登山道に入り、丸石を越え、次郎笈を目指す。
なぜそんなところから? 理由は2つ。

・見ノ越まで車でたどり着けるか不安
先月来た時はかなりの積雪で、スキー場を過ぎたあたりでタイヤが轍から落ちて、まったく動けなくなってしまった。
運転技術が低いと言えばそれまでだが、そういうトラブルは避けたい。

・人のあまり歩いていないところでラッセル技術を磨きたい
上の通り。 ラッセル技術を身につけるには数をこなすしかないと思う。 人の歩いている山はトレースがあるので、無い山を目指したい。

という理由でこのルートになりました。

裏道で、財田付近で国道32号線に合流。 そのまま徳島県に入り、大歩危へ。 徳島県道45号線~35号線と走り、国道439号線へ。
徳島県の道路情報で、名頃~見ノ越は冬季通行止めという情報があったので、二重かずら橋を目指すなら、このコースしかたどり着くことはできない。

どれくらい道路に雪があるかな、と心配したが、国道439号線までは全く積雪はなかった。 439号線はところどころ積雪があったが、まったく問題ない程度。

名頃まで行ったが「冬季通行止め」の標識がなかったため、名頃ダムまで車で行った。 ここには看板があったので、こっから先は車で入ったらいけないだろうな、一応。

広い部分の路肩に駐車。 さて、登山開始。
凍りついた名頃ダム 三嶺

まずは二重かずら橋まで車道歩き。 名頃~かずら橋まで約2.6kmだったので、ダムからだったら1.8km程度か。 25分ほどで到着。 当然誰もいない。
奥祖谷二重かずら橋前

シーズン中なら橋を渡るのに500円かかるのだが、料金を徴収する人がいないためそのまま入らせてもらった。
「二重かずら橋」の名の通り、橋が2つあるのだが、橋を見に来たわけではないので、そのまま素通り。
二重かずら橋

さて、ここから登山道だ。 誰も歩いていないし、携帯も圏外なので気をつけていかなくては。 この付近は積雪もわずかで、沢沿いの道をゆっくり登っていく。 途中2mほどの巨大つららがあった。 落ちてきたら、マンガみたいに突き刺さりそうだ。 先端は鋭いし、かなりの重さがあるだろう。
巨大つらら

だんだん雪が深くなっていく。 とても気持ちがいい~ しばらく歩くと「国体橋」に到着。 積雪15cmくらい。
登山道 国体橋

ここからがこのルートでつらいところ。 グネグネと歩きながら一気に標高を上げていく。 地面には鹿の足跡しか残されていない。 鹿も登山をするのだろうか。 綺麗に登山道を歩いた跡がずっと続いている。

かなり汗だくになりながら、ようやく稜線まで出てきた。 西へ進めば「三嶺」、東へ進めば「剣山」だ。
100mほどのところに丸石避難小屋があるので、そこで休憩することに。 ここまでアイゼンつけないで歩いてきたのだが、ここから先は必要だろう、きっと。 装着して何か食べてから行こうっと。
稜線の分岐付近

しかし、小屋の中に入ろうとしたが、ドアが開かない。 鍵がかかってるのか? 避難小屋なのに? それとも凍りついてるだけか? サッシの雪を払ったが全く開きそうにない。 ダメだ…… 稜線はかなりの強風で一気に冷めてしまった。 とても寒い…… 小屋の裏側が風を避けられたので、そこでアイゼン装着。 ストックも準備する。 で、パンとおにぎりを頬張る。 国道の時点でけっこう風があったので、稜線はかなり寒いとは予想していたけれど…… ここからけっこう長い距離、稜線歩きをするのでかなり寒そうだ… 気温だけ見たらマイナス6度なのでそれほどでもないが…風が…
丸石避難小屋

ここからの道は景色が一気にかわった。 綺麗な樹氷の道を歩く、強風の中… 雪もけっこう深くなってきたけれど、下の方が固まってしまっているので、潜っても足首くらいまでしか潜らない。 これじゃ全然ラッセルする個所もなさそうだ…
樹氷の道

しばらく歩き、景色が開ける場所までやってきた。 通過地点の丸石は目前だ!
丸石は目前

丸石まで軽い登りがあり、丸石山頂。
丸石

寒いためそのまま素通り。 本当はここから剣山や次郎笈が綺麗に見えるはずなのに、吹雪いていて全く見えない。
剣山方面

丸石登山口分岐までけっこう下る。 そして、次郎笈への登りが始まった。 標高差300mほどか?
こちらの上りはけっこう積雪があり楽しめた。 小さな雪庇も出現。
雪の登山道 小さな雪庇

けっこう登るが、次郎笈の山頂は全く見えない… 景色が見えないのが非常に残念だな…
かろうじて剣山方面へのトラヴァースルートは見えた。
トラヴァースルート

で、ようやく次郎笈山頂に到着。 景色は全く見えず。 気温はマイナス9度。
次郎笈山頂

山頂は風を凌げる場所が全くないため、すぐに下山。
トラヴァースルート分岐のちょっと上に大きな岩があり、その岩陰で風が凌げることを、登ってくるときに発見したので、そこで休憩しようか。
ここでお湯を沸かし、温かいコーンポタージュと紅茶で体を温める。 おにぎりとクッキーを食べてエネルギーも補給。
岩陰で休憩

帰り道も全く景色は見えず… たまに見えて素晴らしかった景色でもこの程度。
丸石方面 樹氷地帯

帰りは楽チンであっという間に二重かずら橋に戻ってきた。

人が少ないことは想定していたが、次郎笈山頂で、誰にも会わないことは想定していなかった。 冬でもけっこう人気のある山なので、誰かには遭遇するかと思ったが……
しかし今日は雪がすごかったなぁ。 積雪ではなく、天候の方の雪。 フェイスマスクが欲しいと思った。
ラッセルトレーニングにもならなかったし、2月でこの積雪量。 少ないなぁ。

本日のコースタイム
08:00 名頃ダム
08:25 二重かずら橋
08:56~09:05 国体橋
10:10~10:26 丸石避難小屋
11:00 丸石山頂
11:17 丸石登山口分岐
12:19~12:25 次郎笈山頂
12:35~13:02 岩陰で休憩
13:29 丸石登山口分岐
13:50 丸石山頂
14:20~14:26 丸石避難小屋
15:10~15:15 国体橋
15:39 二重かずら橋
16:05 名頃ダム

【徳島】剣山~次郎笈

晴れ今日は登山の日。 午前6時に起きて6時半出発。
本日の目的地は「剣山」、「見ノ越」から登って剣山山頂を経由して「次郎笈(じろうぎゅう)」に向かう予定。

通りなれた国道193号線をひたすら南下。 思ったよりもかなり寒い……冬用の手袋ともう一枚上着を持ってくればよかった……
香川・徳島の山越えをして徳島県美馬市に到着。 吉野川を越えて国道438号線に入ったら、全くガソリンスタンドもコンビニもなくなるので、ここで準備をしていかなくては。 セルフのガソリンスタンドを見つけたのでそこで給油。 これから剣方面に行く時は、このガソリンスタンドを拠点にしよう。 あと、コンビニで朝昼ご飯を購入して、剣山に向けて再出発。

何度目か忘れたけど、国道沿いにある「閑定の滝」を眺めていく。
閑定の滝

そして見ノ越に向けて走り続ける…… だんだん山に向かっていき……寒い…… 道路にある温度表示は12度…… どんどん進んで行き、見ノ越に到着。 リフト乗り場があって、そこの駐車場に止める。 気温は……8度…… 寒すぎる。
寒い中、原付で2時間半走り続けたので体の芯まで冷え込んでいる。 とりあえず朝ごはん食べていないので、日のあたる暖かい場所でご飯でも……と思ったが風が寒すぎる…… パンを1つ食べたが震えが止まらない。

これはまずいと思い、すぐに準備して登り始めることに。

この山はリフトで途中まで上がることが出来る。 リフトは片道1000円、往復1800円。 オレはもちろん歩いて登る。
登山口入口

どんどん登っていき、目指す「次郎笈」が見えてきた。
次郎笈

歩くこと30分……体もポカポカ、リフトの降り口に到着した。 ここからはみんな歩いて登る。 水場経由で行く道と、山頂に直接向かう道がある。 もちろんオレは山頂に直接向かう道。 山頂ヒュッテが見えてきた。
山頂ヒュッテ 紅葉が綺麗

だんだん標高が上がっていき、景色が綺麗に見えるようになってきた。 今日は快晴。 最高の登山日和。
紅葉と山 登山道からの景色 登山道からの景色 登山道からの景色

ようやく剣神社上に到着。 ここに剣山の由来の剣のような岩がある。
剣のような岩 次郎笈

上り始めて60分。 剣山山頂に到着。
山頂からの景色 山頂からの景色 剣山山頂

ここで一休みしようかと思ったが、人が多すぎるので休まないでいっか。 そのまま次郎笈に向かう。
次郎笈 綺麗な空と山

剣山からの下りが終わり、次郎笈への登りに変わる。 直登ルートと、西側からトラバースして登るルートがある。 もちろん直登る。 そのうち三嶺の方まで行ってみたいが、テントが無いと無理だな、これは。
剣山 三嶺へ……

だって14kmもある……山の14kmは軽く9時間くらいかかるだろうな……

登り終わって次郎笈山頂に到着。
次郎笈山頂

剣山からここまで50分。 さて、登り始めてから休憩しないでここまで来たので、そろそろお昼休憩にするか。
コンビニで買ったおにぎりとパンとお菓子で休憩。 ちょっとのんびりしたし、そろそろ帰るかな。

帰りは、西側から降りてトラバースルートを戻ろう。
山頂からの景色 山頂からの景色

トラバースルート中に水場があり、ちょっと飲んでみた。 冷たくておいしい。
そして、剣山からは剣神社に向かうルートを選択。
人があまりいなくていいね。
紅葉 紅葉と次郎笈 クマザサ

しばらく歩いて剣のような岩が見えてきた。
剣のような岩

こちら側から見るとすごい立派だね。

そのまま下山していき、リフト乗り場に到着。 普通の格好をしてリフトで登ってきた人が多すぎる……
リフト乗り場 リフト

次郎笈を出発して1時間40分。 登山口に戻ってきた。 ちょっと歩いた時間は短かったけど、なかなか楽しかったな。
駐車場が悲惨なことになっていた。
悲惨な駐車場