世界陸上 男子200m タイムトライアル

晴れ朝はマックに行って、お昼はお弁当がなかったのでインスタントラーメンを食べて、21時半くらいに帰宅。 今日も軽くジョギングしようと思って6kmコースを走ってきた。 速さは求めていなかったので、6kmを31分59秒で、キロ5分21秒ペースだった。

その後は録画した世界陸上を見る。 開会式から全て録画して、主要種目というか、気になる競技は全て見ている。
気になる競技は100m、200m、400mハードル、800m、1500m、3000m障害、5000m、10000mなどのトラック種目と、マラソン種目。
気にならない競技は、投擲種目、高跳び系、走り幅跳び系、気にならない競技は全て飛ばしている。

そんなで連日見ているのだけど、今日見た分に、とても感動的なシーンがあった。(TBSの動画

その競技は男子200mなのだけど、予選でも準決勝でもなく「タイムトライアル」という聞いたことが無いカテゴリー。
アナウンサーが説明してくれていたのだけど、数人の選手がノロウィルスが疑われる食中毒に感染してしまった。 周りへの拡散を防ぐために48時間の隔離措置がとられた。 隔離なので他の選手との接触はできないし、当然競技にも参加することができない。
その隔離措置をとられた選手のなかに、ボツワナ共和国の「アイザック・マクワラ」という選手がいる。 専門は200m、400m。
先日行われた400mは予選、準決勝と勝ち上がり、決勝まで進んでいたが、隔離措置のため、決勝を走ることはできずDNF扱いとなってしまった。
隔離中に200m予選も行われて、走らず敗退が決まっていた。
だが、ボツワナの陸上連盟が、IAAFという「国際陸上競技連盟」に「何か救済はできないか」と要請して、それをIAAFが認めて今回のタイムトライアルが開催されるという、特別な事態になった。
普通だと認められないとは思うのだけど、「アイザック・マクワラ」は今シーズンの記録が世界一番の記録を出している。 タイムこそボルトよりは遅いけど、ボルトが欠場するようなものだろう。 なので、1人だけで走るタイムトライアルが開催となった。

200mの予選は7組まであり、各組上位3名は準決勝に進出。 上位3名に入らなかった選手たちのタイム順で6位までが準決勝進出となっている。 そのタイム順6位の選手が出したタイムが20秒54。 タイム順で準決勝に進出するためには、それよりも速いタイムである「20秒53」が基準となる。
そのため、タイムトライアルで20秒53よりいい記録が出れば、準決勝進出というルールになったようだ。

マクワラは本来予選で走るはずだった7レーンが割り当てられる。 とても広い競技場のトラックにはマクワラ選手が1人で準備をしている。 スタジアムは大雨が降っているが、大きな屋根があるのと7レーンのため、スタート地点から150m地点までは雨の影響がない。 ラスト50mは屋根が無いので雨を受けながら走ることになる。
そしてスタートの時間となった。 「On your marks」と音声が流れスタート直前、会場内は静まり返る。 スタートの号砲と同時にマクワラ選手がスタートし、場内は大歓声。 マクワラ選手は必死になって走る。 カーブを抜けて直線へ。 普通の200mのレースだと他の選手との位置関係を示すため、カメラワークは横からとなるのだけど、今回は一人しか走ってないので、映像は正面から撮影した映像が流れていた。 ラスト50m、雨の中も全力で走りゴール。 ゴール後、ちらっとタイムを見たマクワラは「20.20」というタイムを確認し両手を広げて歓ぶ。 スピードが止まってからはトラックで腕立て伏せをして、「自分は食中毒の影響などなく元気だ」ということをアピールして、大歓声のなかスタジアムの裏側へ下がっていった。

通常の予選だと、各国の選手が走るので観客は自分の好きな選手を応援するし、その選手が予選通過できなかったら落胆する。 ライバルの選手が予選通過し応援している選手が通過できなかったら微妙な気持ちになるし、全く同じタイムでも、組によって予選通過できたりできなかったりすることもある。
そんなのが通常だけど、タイムトライアルでは走る選手はマクワラ1人。 基準タイムを超えれば予選通過、超えられなければ予選敗退、ルールは単純明快。
マクワラが予選通過したら、準決勝の人数が1人増えるだけで、誰かが予選敗退することもない。 そんな状況なので、観客の全員がマクワラを応援しない理由がない。
観客の歓声と注目を1人で浴び、プレッシャーに打ち勝って予選通過したマクワラには、観客から賞賛、スタンディングオベーションするシーンまで映っていた。
日本の中継のアナウンサーも「おめでとう、マクワラ!」と、賞賛を送っていた。

そんなシーンが、今回の世界陸上で今のところのベストシーン。